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モデルカーあれこれ

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モデルカーは実車を単に縮めたものではありません。斜め上方から眺めて、実車の雰囲気を楽しむのと同時に、雑誌の写真には写っていなかった部分を見て、新たな発見ができる物です。その歴史を… もっと読む
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2022年5月の記事一覧

重箱の隅をつつく-3        Chevrolet Corvetteのエンブレムマーク

重箱の隅をつつく-3        Chevrolet Corvetteのエンブレムマーク

今回供覧するモデルはいずれもTMS(メーカー名)のChevrolet Corvette。
3台並んでいるモデルの座面にはそのモデルが出場したレース名や操縦者の名前。4台並んでいるモデルの座面には更にマークが見られる。

このマークは検索するとChevrolet Corvetteのエンブレムマークだそうだ。同じChevrolet Corvetteなのに4台の方にあって、3台の方にない、何故なのだ。

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レアモデル列伝-7  人呼んで烏賊の様な車

レアモデル列伝-7  人呼んで烏賊の様な車

かなりのChaparralフリークでもこのモデルを持っている愛好者はそうはいまい。
Chaparral-1はScarabのTroutmanとBarnesが設計した車、エンジンは当時主流のフロント・ミッドシップに積んでいて、それなりの戦績を積んでいたがJim Hallは満足せず、種々の設計変更を行った。

その最終型は平べったい烏賊に似た車、No.9は63年3月Sebring 12hを走った車、No

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事実は小説より奇なり-3 幻のF-1参戦

事実は小説より奇なり-3 幻のF-1参戦

F-1の歴史には、1回のグランプリにしか出場していないドライバーが多々存在する(日本人でも長谷見さんや星野さん等々)。

1977年のホッケンハイムで開催されたドイツGPでHans Heyerの逸話は今でもF-1の歴史に記録されている(予選27位、決勝DNF)。HeyerはドイツGPスポンサーのMampeの援助でATSのオーナーに頼み込み、チームのNo.2の車としてエントリー。レースが始まると黄色

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重箱の隅をつつく-4   タバコ広告規制

重箱の隅をつつく-4   タバコ広告規制

見出しの写真は1994年のIndy 500の優勝車、この頃は未だタバコの広告は禁止されておらず、各車共スポンサーカラーの花盛り。
1968年Lotus49がF-1のボディをGold Leafカラーに染めたのが最初(参考写真-1)。その後種々のレースカーが国別のナショナルカラーからスポンサーカラーに変更し、宣伝効果を期待した(参考写真-2)。

21世紀になり人間の健康志向からタバコの害が叫ばれ、タ

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レアモデル列伝-8      Ford J car

レアモデル列伝-8    Ford J car

映画『フォードvsフェラーリ』が2020年1月10日から一般公開され、レースや車好きなら見た方も多いと思う。

映画の中で、1968年のLe Mansに向けての準備中、主役のKen Milesが事故死する。この試作車がFord J car(Sapphire Modelcraft)と呼ばれる車だ。車の一番前に角が生えて(見出しの写真)後半がライトバン型、半世紀以上前Car Graphic誌で見たとき

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レアモデル列伝-9     Sam Posey & Caldwell D7

レアモデル列伝-9 Sam Posey & Caldwell D7

 Sam PoseyにしろCaldwellにしろ、一般の人にはまるで馴染みがないだろう。レースカーやレースの愛好者でも両方を知る人は少ない。
しかし、60歳以上でレースの愛好者は1968年の日本Can Amで2位に入った白地に太い赤線の車は記憶に残っているかも知れない。Can Am関連の本でCaldwellは少なくとも1枚の写真が載っていたのを覚えている人もいるのではないかと思う。

 多くのCa

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レアモデル列伝-11 Chaparral 2A & 2C @1965 Nassau Speed Week

レアモデル列伝-11 Chaparral 2A & 2C @1965 Nassau Speed Week

Chaparralの中でも1965年のNassau Speed Weekに出場したNo.65の2AとNo.66の2Cは好きだ、それはこの車に興味をもった最初だったからかも知れない。1/43の2A初期型はAUTOartを始め色々なメーカーで発売されているが、所謂最終型は作られていない。2Cは1/24でLSとARIIからプラモデルがあるが、1/43はない。

歴史的にミッドエンジンとなったChapar

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異能β-1:John MecomとZerex Special

異能β-1:John MecomとZerex Special

「innvotar」は「革新者」を意味するが、自分的には異能者であるが真当でない、一寸外れている、或いは飛び抜けているという意味で、αに続く者でβとした。

クレームにより単座であるNo.6を複座に変更し、レースに参加した車がNo.12のZerex Special(MM)である。この車は1963.08.06. Brands HatchのGuards Trophyに参加し優勝した車、この車の左右ドア

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レアモデル列伝-10 結果としてレアになったHowmet TX

レアモデル列伝-10 結果としてレアになったHowmet TX

ミスタークラフトは「ミスクラ」名で呼ばれていた恵比寿の老舗玩具店。

1975年から30年以上、模型、スロットカーのサーキット、トイショップ、レンタルショーケースギャラリー等、ビルの多数フロアからなる当時日本で最大のミニカーショップ。2006年頃から1階が着物店(同社の別部門)になったりと、おかしな雰囲気であったが、2008年9月8日に突然閉店した。
以前、ミニカーの購入は殆どがミスクラであった。

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重箱の隅をつつく-5   Scarabカラーの不思議

重箱の隅をつつく-5   Scarabカラーの不思議

 以前、異能β-1:John MecomとZerex SpecialでScarabの話を書いた。
 63年MECOMはA J Foytと契約し新興のScarab(Spark:SP)を購入、10.13. RiversideのLA Times GPから出走させ、1965年まで20レースに参戦し4回の優勝をもぎ取った。(A J Foytが3回/8回、W.Hansgenが1回/6回、その他の出走はA.Pa

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異能β-2         Jim Hallの奇策

異能β-2       Jim Hallの奇策

 奇策と言えば奇策だが、屁理屈でもあるので「リアモデル列伝」にも「重箱の隅をつつく」にも当たらないとして「異能β」とした1例

 Chaparral 2Dは1966-67年まで活躍した車。No.7は1966年のニュルブルクリンク1,000kmで優勝したモデルで、これやルマンのモデルは良く目にする。  Chaparral 2Dモデルは上記以外で最初の2DであるNo.65のDaytonaのモデル(Mo

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