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本ものとは何でしょうか?ー『豆の上で眠る』ー


この本を手に取ったキッカケ

大学の図書館でクリスマスフェアといって、本の題名が分からないように紙で包まれた状態になっていました。

「イヤミスの女王の作品」と書いてあったので、作者は湊かなえさんだと予想して借りました。代表作と書かれていたので『告白』だろうなと思って開封してみたら『豆の上で眠る』が出てきました。

『告白』を読みたかったのですが、この作品の表紙を見たことあるので気になって読んでみることにしました。


感想

私は、湊かなえさんの作品は『絶唱』読んだことがあります。あまり自分には刺さらなかったのでそれ以来、避けていましたがこの機会に読んでみてよかったと思っています。

文章はとても読みやすいです。しかし、私は普段から古典作品を読んでいるので少し物足りなかったです(複雑な語彙を使ってくれると読みがいがあります)。

この作品で一番印象に残った言葉は、

本ものって、何ですかー。

p.275

です。

本ものとは何でしょうか?
遺伝子情報で確認できる科学的な証明?それとも、長年の時間によって作り出された絆による証明?
一度考えてみる必要があります。

私は真実を告げられたら、絶対混乱して、誰も信用できなくなってしまうと思います。みんな知っていて、自分だけのけ者扱い。ひどい疎外感が生まれてしまいます。

それにしても、親の万佑子に対する扱いひどすぎないか?
猫を探しに行かせると見せかけて、怪しい家に訪問させたり、明らかに姉との態度に差があったり、口調も少しきつかったりとひどい。

確かに、娘が誘拐された時の親の心情を考えれば多少はしょうがないかもしれないが、それにしてもやりすぎ。娘が学校でどんな扱いを受けるかなど想像できないものなのだろうか?

結末は、どこかのドラマでありそうなものでした。あまり意外性を感じなかったです。後半から物語に引き込まれていきました。ぜひ、機会があれば他の作品も読んでみたいです。


書籍情報

豆の上で眠る
湊かなえ
2014年5月15日 2刷
新潮社


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