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看護師という仕事のこと

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精神科看護師として働くなかで感じることや日々の学び、自分が大切にしていることをまとめています。
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2023年2月の記事一覧

患者になった日

患者になった日

去年の4月、職場で急に手足が動かなくなった。あれれ…と思ってるうちに歩けなくなった。

あれよあれよと言う間に勤務先から大きな病院へと運ばれ、あれよあれよと言う間に様々な検査が行われ「入院ね。ギランバレー症候群だから帰せないから。」と南こうせつ似の医師に告げられた。

…ギランバレー症候群…?しまった。ほとんど知識のない病気だ。
看護学生の頃、神経内科の講義に来ていた先生の顔は鮮明に浮かぶ。
なん

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かっこよく。

かっこよく。

私は生まれつき足に障害があったため小さい頃から入退院を繰り返していた。
親と離れての入院生活のなかで「看護師さん」というのは幼い私にとって最も身近で安心できる存在だったと思われる。

という話をすると「それで自身も看護師の道を選んだのですね」と誰もが口にする。

が、幼い私には単純に「看護師さん」という人は「腕時計の文字盤を手首の内側にして着けていて、脈を測る時にその文字盤を見る仕草が超絶かっこい

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看護師として

看護師として

気づけば精神科の看護師として20年以上働いてきた。

精神科病棟に配属された初日、看護部長から「精神科とは言葉一つで患者さんを救うこともできる一方で、言葉一つで患者さんを取り返しのつかないところまで追いつめることもできてしまう」という話を聞かされた。

怖かった。
部長の顔も怖かった。

言葉だけでなく、看護師の些細な表情の変化や仕草を患者さんは敏感に感じ取る。

そのため患者さんと接するときには

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