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世にも奇妙な人体実験の歴史 読書感想

あらすじ

性病、不治の病、麻酔薬、寄生虫 etc
人類の脅威を解明するため、己の体を実験体にした偉大な科学者たちの実話

感想

あらすじを見ず、表紙のインパクトだけで衝動買いした作品。
表紙と題名から他者に非人道的な実験を行ったマッドサイエンティストの話だと思っていたら全然違った。
自分自身で人体実験を行なっていた人たちの話だった。
こちらの方が聞こえは良いが、読み進めていくと彼らの方が狂った感覚を持っているのかもしれないとも思った。

最初に登場するジョン・ハンター
自分の仮説を証明するために、淋病と梅毒に感染した患者の膿を
自ら傷つけた自らの性器に塗り込む荒業をする。
想像するだけで身の毛がよだつ。

一番印象に残っているのは麻酔薬の研究者たちの話だ。
コカインの麻酔効果を試した眼科医は角膜をピンで突き刺した。
局所麻酔に使えると考えた外科医は、麻酔後助手に下半身を痛めつけさせた。
太ももの骨まで針を刺したり、タバコの火を押し付けたり、しまいには睾丸をぶっ叩いたり、、、
正気とは思えなかった。

けれど彼らのおかげで性病の治療方法が確立されたり、
麻酔のおかげで痛みを感じず外科手術を受けられる今日があるのだろう。

本書には彼らだけではなく医学から航空学など自己犠牲を厭わなかった人たちがたくさん登場する。
世界は一部の天才・変人・奇人(しかし世界の謎を解き明かしたいという強い信念を持った勇敢な人たち)によってよりよくされてきたのだろう。
感謝の念が絶えねい。

そんな気持ちになるほどとても面白い作品でした。

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