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[書評] 世界はラテン語でできている

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・エッセイスト書評家 として、
自らを定義しています。

突然だが、私は 歴史ものが 大好物だ。
生まれ育った日本の歴史も嫌いではないが、
特に好きなのは世界史の方である。

昭和の終わりに この世に生を受け
物心ついた頃には
グローバル社会が広がっていた私にとって、
「この世界が なぜ今のような姿になったのか」
を知ることは 大変に興味深く 面白い。

さて 一口に「世界」と言っても、
日本を含むアジア
(東、中央、東南…)もあれば、
中東地域、アフリカ、中南米、
オーストラリアや周りの島国…
国や地域を こまかく挙げればキリがない。
(それらは地理の教科書に任せることとする)

…が、やはり現代社会で
無視できない存在といえば 欧米となるだろう。

中学・高校の世界史の教科書を読んでいても
「これでは半分『西洋史』ではないか」
と思うくらい、西洋の占める割合が大きい。
コロンブス以降になると、
徐々にアメリカの割合も増えてくるが。

つまり、世界(史)を振り返る上で
西洋を避けて通ることはできない。

そして、西洋の歴史を振り返る上では
「ラテン語」の存在を避けて通っては
ならないだろう。

…というわけで、
今回の本を手に取った次第である。


ラテン語の あしあと

ラテン語は 古代ローマで
使われていた言語であり、
その版図と共に欧州地域に広まっていった。

その結果、イタリア語は もちろん、
フランス語 や スペイン語、
ポルトガル語 から 英語 に至るまで、
その語彙に大きな影響を与えている。

そのため この本では、
英単語(ときに他の言語についても)の
語源・由来についての解説が豊富である。

この本を読むまでは ラテン語というと
「学名で使われている言語」
という程度の認識しかなかったが、
なるほど現代の言語の中でも
しっかりとその足跡を
遺しているのだということが分かる。

私は外国語はサッパリだが、
案外 この「言葉の由来」というのを
知ることは好きである。

日本語でも日常使わない熟語を目にしたときに、
その漢字の組み合わせから
「なんとなく このような意味だろうか」
と推察して それが的中することが多いように、
英単語も 語源を学ぶと、
似たような単語に出会ったときに
同様の勘が利きやすい。

この事実と面白さに
学生時代に気付くことができていたら、
私の英語の成績は
もう少しマシだった気がしてならない。
(現役の学生諸子には、ぜひ気付いていただきたい)

この本では
世界史・政治・宗教・科学・現代・日本
という6つのテーマを通じて、
ラテン語が それぞれに
どのように関わっているのかを
紹介してくれている。

「由来」を知る意味

ここまでは 世界史と英語の話だが、
何事においても学ぶ際は
「なぜ そうなる(なった)のか」を
理解する習慣を身に着けるのがよい。

表面的な事象の暗記だけでは
知識のリンクがないから忘れやすいし、
一度忘れると 思い出すのに苦労する。

対して その事象に至る理由・背景を理解すると、
単なる暗記に比べて記憶の定着率も高く、
仮に事象そのものを失念したところで
筋道を辿って思い出すことが可能である。

学業であれば
そこまで理解が深ければ応用も聞くだろうし、
仕事であれば
良い仕事ができるだけでなく
本質を捉えた改善もできる。

真っ赤っか

さて、本の話に戻ろう。

各所にこれでもかというほど
言葉の由来や歴史が詰まった この本。

私はいつも読書(電子書籍)の際には
こういう雑学的な箇所には
赤いマーカーを引くのだが、
この本は見返すと あまりに
マーキング箇所が多くなってしまった。
節や章によっては、
赤くない箇所の方が少ないところまである。

私もこれまで それなりに本を読んできたが、
ここまでページが赤く染まった本には
出会ったことがない。

私にとって赤く染まった部分というのは、
特に「知」が詰まった箇所である。

その意味で この本は、
たくさんの知識が詰まった
学び多き本であるといえよう。

まとめ

言葉(単語)の由来や
歴史に関わる雑学がたくさん詰まった、
読み物として非常に面白い本である。

この本を読めば 英語の理解も深まるだろうし、
世界史の一端にも触れることになるので、
特に勉強の息抜きに読むには
もってこいの1冊だ。

もちろん既に学業を卒業し
社会人となった人にも楽しめる。

なぜなら、我々が生きる現代は
過去からのつながりで
成り立っているのだから。

こんな人にオススメ!

・ラテン語に興味がある人
・英単語の由来に興味がある人
・英語の学びを深めたい人
・世界史が好きな人
・雑学が好きな人

こんな人には合わないかも…

・日本語、日本史以外に興味がない人
 (ほとんど話題に出てきません)

お読みいただき、ありがとうございました。

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