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バカボンと資本主義と貨幣経済

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・エッセイスト書評家 として、
自らを定義しています。

最近、フォローさせていただいている
困難スライドリボルビング精神 さんの影響で
資本主義の次に来る世界」という本を
読んでいる。

相変わらず読むのが遅いので
完読には しばらくかかりそうではあるが、
序盤から たくさんの気付きが溢れている。

書評を書くとしたら完読後だが、
ひとまず特に大きな気付きについて
紹介したいと思った。

今回はそんな話。


資本主義は本当に不可欠なのか

「資本主義」は、現状
世界のシステムの中心にあるイデオロギーだ。
(もちろん社会主義的な国家もあるが)

ただ、世界の広くを占めていても
それが「正しい」かどうかは分からない。
それは過去の歴史をみても分かることだ。

資本主義にも、資本家と労働者の差や
貧富の差の拡大などの問題を孕んでいる。

また、昨今では過熱する資本主義の反動で
地球規模の環境問題も深刻になっている。

故に資本主義も完全無欠のシステムではなく、
大きな問題を抱えているのだ。

今 読んでいる本も 私自身は
まだ結論には辿り着いていないが、
そうした問題点を指摘して
資本主義の負の側面を述べている。

だが、(この本以外も含めて)
資本主義への批判を聞く度に
私はこう思っていた。

そうは言っても、
金を稼いで収入を得て
衣食住に必要なものを買う。
古代のように物々交換をするにも
いかぬであろう。

故に 資本主義は必要だろうし、
ここ数世紀に限らず、基本的に世界は
(競争の激しさには違いがあれど)
資本主義の原則に
基づいてきたのではないのか?

だが、本書を読んでいくうちに
それが誤った考え方だということに気付いた。

貨幣経済は本当に不可欠か

私は経済学は専門に学んでないから
趣味の読書で得た知識しかないが、
よく「貨幣には3つの役割がある」という。

① 価値の尺度
② 価値の保存手段
③ 価値の交換手段

貨幣の3つの役割

① はそのまま、
「値段」という尺度になるということ。

マグロ と 自動車 で
どちらの価値が高いかは、
ものだけ見ても判断が難しい。
見る人の趣向・状況によっても異なるだろう。

我々が「高価(価値が高い)」と
判断できるのは、
各々に「価格」という尺度が
付与されるからなのだ。

② は、貨幣の価値は腐らないということ。
(インフレ・デフレで価値の「変動」はするが)

立派なマグロを持っていても、
しばらく置いていたら
腐って価値は下がってしまう。
それを売って貨幣のかたちに替えることで、
何年経っても腐らないで
価値を保つことができる。

そして③が、
私が前述した意見に関係するところ。

もし貨幣がなければ、マグロ漁師は
マグロが欲しい人を見つけて
物々交換を打診しなければならない。

自動車が欲しい場合、
「漁師が欲しいと思っている自動車を
 マグロと交換してもいいと思っている人」
というニッチなマッチングを
成立させねばならないのだ。

私たちが様々な手段でお金を稼いで、
(お金がある限り)
自由に売買ができるのは
共通する「貨幣」の存在を
仲介しているからなのだ。

以上の役割は、私たちの生活にとって
不可欠であると(少なくとも私は)考える。

だから、貨幣経済は不可欠なのだ。
そして貨幣を通じての経済は、
長い間 人類の暮らしに根付いてきたのだ。

つまり、貨幣の役割を考えたときに
資本主義の負の側面以上の
恩恵があるのだから
我々は資本主義を
拒否することはできないはず。
(よりよく改善することは
 できるかもしれぬが)

資本主義と貨幣経済の違い

ここまで読んでいただいて、
あなたは私の誤りに気付いただろうか。
私自身は、今回の本を読んでいて
初めて気付くことができた。

私は長い間、
「資本主義」と「貨幣経済」の違いを
理解できていなかったのだ。
両者の概念は まるで異なる。

貨幣経済については、前述のとおり。

そして資本主義というのは、
富が富を生み、常に成長することを
是とするシステムなのだ。

だから 大企業は利益の全てを
労働者に分配することはせず、
利益を再投資して さらに大きな成長を目指す。
現状に満足することがないから、
資源もエネルギーもどんどん消費するし、
その結果が現在の環境問題にもつながっている。

対して、資本主義以前の生活というのは
飽くなき成長などということは
求めていなかった。

その日その日の暮らしに
必要なものを買うために、
必要な分だけ仕事をして
稼げば十分だった。
そして十分な仕事をした後は、
余暇を楽しむなどしていたわけだ。

資本主義が台頭する以前の世界から見たら、
「24時間戦えますか」なんて聞いたら
「何考えてんだ?コイツ」くらいに
思われるかもしれない。

これを理解すると、なるほど
「資本主義」と「貨幣経済」は
全く別の概念であることと分かる。

「これでいいのだ」の精神

これを Naseka 流に表すと、

「もっと上へ」が 資本主義
「これでいいのだ」が 貨幣経済

 

ということになる。

そう考えると、「資本主義」からの脱却は
少なくとも個人レベルでは
そう難しいものではないのかもしれない。

あなたが満足する分だけ働いて、
ワークライフバランスを
充実させていけばいいだけの話である。

それに必要なのは、バカボン の如く
「これでいいのだ」と思える
自身の心の持ち様だけだ。

さいごに

あなたは気付いただろうか。

「これでいいのだ」は
バカボン のセリフじゃない。
バカボンのパパ のセリフなのだ。

ちなみに「バカボン」の名前の由来は
いくつかの説があるようだが、
一説には サンスクリット語の
『薄伽梵』から きているとか いないとか。
出典リンク

なんのはなしですか

お読みいただき、ありがとうございました。


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