ほきくんのリハビリ記録⑪   ~恩返し~


【脊髄小脳変性症】を発症しました。
リハビリをきちんとやらなかったこともあり、進行が進んでいきます。
<小学校教師>という仕事を辞めないといけないくらい、
つまり、ほとんど身体が動きません。
それまで積み上げてきた「自己肯定感」も完全になくなりました。
 
自己肯定感がないうちは、
明るい生活は送れませんでした。
下ばかり見ている暗い生活は、
病気の進行の進みを一層はやめていたと思います。
 
 
私は病気の進行がすすんでも、歩行器を使い散歩を続けていました。
 
歩行器のおかげで、かなり安全に歩行できていると思っていました。
 
がやはり、
「大丈夫かなぁ」
と周りの人たちを心配させていたみたいです。
 
実際、たくさんの人が助けてくれました。
 
本当にたくさんの人が助けてくれました。
 
中学生や小学生、外国の人も!!
腰が曲がっちゃったおじいさんも!
赤ちゃんを乗せたバギーを押しているママさんも!
走り回る小さい兄弟の対応で大変そうなパパさんも!
電車の乗り降りを心配してくれた駅員さん!
スクランブルの横断歩道の安全を確保してくれた警察官さん。
 
感謝をしています。
ものすごく感謝しています。
 
 
でも
 
私はその恩返しができない。
恩返ししたくても身体が動かない。
 
そんな思いから
ますます自己肯定感がなくなっていきました。
 


仕事を辞め<リハビリだけの生活>が始まりました。
<だけ生活>は息が詰まるので、
そのリフレッシュに料理をすることにしました。
 
家族から「食事のリクエスト」を聞いて、料理をすることで
「美味しい!」「忙しいから助かった!」
と言ってもらえたら・・・うれしい。
ほんの少しだけど恩返しになるかもしれない。
 
<家族限定>の恩返しになってしまう、かもしれない。
でも、誰かへの恩返しができる!
 
 
無理だとあきらめていた<恩返し>になるなら、
おいしく作れるまで何度も料理をしよう!
 
 
「忙しいから助かった!」
家族の手をを借りたら、全然恩返しにはなりません。
手を煩わせて、余計に忙しくなっちゃう。
 
 
手を借りないで済む=恩返し
 
一人でこの後の作業をすることにしました。
 
 
 
リハビリだけ生活をリフレッシュさせるために
<料理>をすることにして、
もしかしたら、料理を通して、恩返しができそうだ。
 
 
 
こだわった料理(マイルール)其二:<誰の手も借りないで、一人で料理する>
 

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