聞いてはいたけどシェアハウス探しやっぱり大変だった... メルボルン滞在日記 第7回
※画像はとある内見先から徒歩5分のところにあったAltona Beach。天気も良く、水も澄んでいてとても気持ちよかったことを覚えている。
ワーキングホリデーをする際に必ず必要になるのが住処の確保だ。事前情報でもシェアハウスはなかなか見つからないと言っていたし、メルボルンに到着した2日目から早速Flatmatesというアプリを使って家探しを始めた。
実際にこれがまあ見つからない。別に供給がないわけじゃない。探せばいくらでもあるのだが、CBDから近いとか、諸々の条件を加味すると一気に件数が少なくなる。
探し始めて4日後、ついに初めてのインスペクション(内見)が決定した!CBD内でかつ自室があり、家賃も週あたり$250(日本円で月100,000円ほど。この条件では破格だ)。僕は鼻歌を歌いながら、体は軽くなったような気持ちでインスペクションへと向かった。
中心地からは少し外れたところにある、近年再開発されたであろうビルや近未来的な建物が立ち並ぶ通りを抜け、人気の少ない少し寂れた奥の通りまで歩いて行った。Google Mapを確認しながら、本当にここであっているのか不安に思いながら。アパートメントと聞いていたから、僕が想像していたのは高層の建物で、全面ガラス張り、室内にはジムやプールがついているような代物だった。
だが実際、指定された住所にあったのは誰も住んでいないんじゃないかと思われるような、全く人気のない薄汚れた建物だった。一階部分には眼科があったのだが、すでに廃業していてガラスは割られている。不安な気持ちに包まれながら、アプリでやりとりしていた人物の到着を待つ。
5分ほど経つと、左から「Hi, hi」という大声が聞こえてきた。そちらを見るとインカムをつけた中国系の女性がこちらに手を振っている。「そっちじゃない、こっちこっち」と言われ、女性が指を指す方を見ると、僕がアパートメントだと思っていた建物よりも数倍古く、完全に捨てられて見えるボロボロのアパートメントだった。
絶望的な気持ちで女性の後を追う。2階まで階段を上り、案内された室内は薄暗く、汚かった。入り口から正面にあるソファにはアラブ系の作業服を着た男性が座っていた。部屋全体が少し甘ったるいような香りがする。クスリだろうか。ここにいて安全なのだろうか。自室に案内されると、そこはベッドで埋め尽くされたこれまた汚い部屋だった。僕はまた絶望的な気持ちになりながら、最後まで説明を聞いてその場を後にした。
この時の気持ちをご想像できるだろうか。好条件でついに定住できる場所が見つかったかもしれないと思ったその日のうちに、その期待が完全に裏切られるのだ。ホステルへと戻るその足取りは重かった。僕という全存在が否定されたような気持ちになった。
それから1週間のうちに計5件、インスペを行い、最後に行った場所に身を落ち着けることに決めた。非常に住みやすい環境で、今ではあの最初のアパートメントのことも懐かしく感じる。
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