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INFJの判断基準は世界 不動産投資について

どうあっても、節税のために賃貸アパートを乱立させる思想に染まれない。

ここに会社が管理している平面駐車場がある。アパートを建てませんかと言われる。もし、私がここに賃貸アパートを建てるならば、それは、ここにアパートがあると皆の役に立つって心の底から思えるときではないだろうか。

この駐車場の隣に、たぶん容積率いっぱいに建てられたそびえ立つ賃貸アパートがある。ここのオーナーさんはどんな方か知らないけれど、駐輪場はないから歩道にいっぱいに自転車が停められているし、ゴミ捨て場も狭くて美しくない。調べたら築40年近い。1980年代終わりに建てられたワンルームのアパート。部屋が狭い。賃料安いし空き部屋があって何部屋か募集もしている。これも不動産投資とか相続対策で建てられたものかな。例えば私がこの物件を親から引き継ぐとしたらうんざりするだろうな。

一方、この平面駐車場はもちろん満車(って言うのかな?)である。そりゃそうよ、平面が楽だよ。車好きらしき人がカバーをかけて大事そうに車を置いていたりする。周辺には時間貸しはあっても月極駐車場はないし。きっと収益は少ないのに固定資産税が高いし相続税も高いから、全部アパートに変わっちゃったんじゃないかな。空いたら次借りたいって待っている人もいる。駐車場は人の入れ替えのたびにリフォームとかしなくていいから、すぐ貸せるのがいい。ここをアパートにしたら残念に思ってくれそう。ローリスクローリターンの典型。

同じく会社が管理しているアパートは、もともと社員寮で、ベランダはないから今どきではないけど、ワンルームの部屋は広い。こちらは築50年ぐらいだったはず。これぐらい経つと10年の違いは誤差になってくるね。駅近な分こっちの方が有利かも。さっきのアパートと違って歩道に迫ってなくて駐輪場を設けているし、ゴミ捨て場はきっちり管理してもらっている。部屋の中をちゃんとリフォームしたあとから、ここも満室だ。出入りも少なくずっと住んでくれている人も多い。屋上に洗濯物干しスペースがあって広々としている。もしここに住んでいたら、たまに屋上でのんびり珈琲を飲みながら読書したいなって思えるくらいの佇まい。ここは、次は共有部の内装をリフォームする予定だ。やっと見た目に手をつけられるところまで来た。そしたら次の人からちょっと家賃を上げても良さそうと管理会社の人が言ってくれている。もしまだ保有するなら、給排水管の入れ替えについて調べた方がいいし、いったん修繕したエレベーターも10年後を目処に取り替えることも考えねば。会社に修繕費を貯めていこう。

いやだいやだと、この不動産賃貸業の雇われ社長を辞めたいと動き始めたけれど、これは逃れられないものだとわかり始めた。物件の買い替えについて検討し、読書をし、人に会って話を聞くうちに、自分の今の立場のありがたみにも気づくようになった。物件を手放して買い直すにしても今の物件より良きモノを手に入れられる保証がない。このまま所有した方がいいのかも。青い鳥を探してただけなのかも。私には、納得するためのプロセスが必要だったのかな。

この街に、どの場所にどんな建物があったらいいか。節税のために借金をして世間に望まれない物件と残債を残して30年後子どもが困る可能性を残すより、節税できなくとも利益が少なくとも人に望まれる物件をきちんと修繕しながらできるだけギリギリまで残し、ちゃんと納税して世の中がそれで少しでも良くなって、住みやすい街作りに役立ててもらう方が私は好ましい。 

長男はまだ中学生だけど、建築家になりたいと言い出したし、この物件たちをどうしていくべきかは、この子たちが大人になったときに相談しながらやってもいいかもしれない。今すぐ建て替えねばならないほどではない。まだ猶予もある。

子どもには、モノやお金を残すより教育で投資する。今のうちにお金も手間もかける。考え方、倫理観、世の中の仕組み、そういうものを教えること。頭の中のものは盗まれないし、もし大恐慌のようなものが起こっても価値は下がらない。たとえモノとして残すものが少なくとも、自分で働いて世のためにもなることの尊さ、幸福感を知ってもらいたい。

『世界から望まれるとしたらそれは一体なんですか?』

この問いを必ず念頭に置こう。私の信念とブレない問い。

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