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東京宗教建築散歩 5

東京ジャーミーとエルドアン大統領のマブダチ

●スケジュール
9:00:朝食/カテドラルにちなんでバチカンがあるローマの朝食スタイル、カプチーノと菓子パン、コンビニでも組み合わせられるお手頃ローマスタイル
10:00:東京カテドラル・聖マリア大聖堂/結婚式もできちゃう、日本のモダニズム建築のスーパーヒーロ丹下健三を堪能する
12:00:昼食/ジャーミー見学前にトルコ料理とトルコ菓子
13:00:東京ジャーミー/イスタンブールにテレポーテーション
15:00:日本ユダヤ教団広尾/華麗なる一族が手掛けた在ユダヤ人コミュニティーの拠り所 
18:00:夕食/ユダヤ教のご飯の定番コーシャを食べたいが難しいので、イスラエルの定番ファーストフード、ファラフェルサンドにしてみた

 オシャンティなトルコカフェでランチを頂き、ついでにおっさんに似合わないスイーツで満足したらジャーミー観賞へ。

 この東京ジャーミーは日本最大のモスクで、現存する日本最古のモスクである神戸モスクと双璧をなす存在。実は名古屋にも古くからモスクがあったのだが、第二次世界大戦の折に消失してしまったらしい。現在は1998年に再建されたネオ名古屋モスクがある。一方神戸モスクは戦争、そして阪神淡路大震災と二度の災害を免れてきた。これらのモスクは日本にいる10万人のイスラームの人々にとって欠かすことの出来ない存在なのは想像できる。そして、どのモスクも日本人には馴染みが薄いイスラーム文化の伝達に役立っている。

 話は戻って東京ジャーミーは、古くはロシア革命によって迫害を受けたトルコ人ムスリムが満州を経て日本に移住し、1938年に東京ジャーミイの前身となる「東京回教礼拝堂」を設立したことに始まる。その後の老朽化に伴い、トルコ全土から集められた寄付金で1997年に再建された。ちなみに日本に移住した人々は、その後アメリカから出された移住の話を蹴って日本に居続けたそうだ。勝手な想像だが、トルコ人が親日家という話はよく聞くし、実際に1904年に始まった日露戦争でトルコの古くからの宿敵、ロシアを破った後の出来事と考えると、日本を選択した当時の人々の気持ちはわかる気がする。

 建設を手掛けたのはムハッレム・ヒリミ・シェナルプというトルコ人建築家で、愛・地球博でのトルコパビリオンを手掛けた人物だ。トルコ人建築家ということで、そのデザインは神戸モスクのペルシャ、インドをミックスしたハイブリットデザイン建築とは違い、ゴリゴリのトルコの伝統様式である。その外観もさることながら、内装、絨毯、タイルに至るまで、まるでイスタンブールにあるモスクにテレポーテーションした気分になれる。

 このムハッレム・ヒリミ・シェナルプ氏はトルコの伝統的宗教建築家でその職業からか、はたまた伝統回帰主義なのかはわからないが、何かと話題の尽きない現トルコ大統領エルドアン氏とマブダチだそうだ。とはいえ、ここまで本格的なトルコ様式の伝統的宗教建築が東京で拝めるのはありがたい。内装はトルコから本場の職人を呼んで仕上げたらしく、その力の入れようもすごい。トルコ伝統のイズミックタイルをふんだんに使った装飾は美しいの一言。また天井にはアラビックカリグラフィーが施されており、建築としてだけではなく、全てにおいて伝統的美術品のようだという妄想でジャーミー見学を締めるとしよう。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)

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