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雄武町で祓われた帆立の呪縛

バイクでGOGO北海道編 EP11

猿払村の帆立を堪能した僕らはマップを覗き込んでいた。今回初めてのキャンプ場所を決めなければならない。僕らが考える条件は三つ。第一に現在ランチ兼休憩中の猿払村から明るいうちにたどり着ける場所であること。これは明るいうちにキャンプ場に着かないとテントの設置がめんどくさいからである。第二の条件はテント一張りの価格が500円以内であること。無料であるならそれに越したことはない。第三の条件はこれから紋別、網走、知床と東部沿岸を走りに行くので、国道238、239から大きく外れないこと。このような条件でキャンプ地を炙り出す。

するといくつかの候補地のうち、この先の238号線にある雄武町の海側のはずれに日の出キャンプ場という場所を見つけた。現在地である猿払村からは約2時間のルートだ。現在の時刻は14時45分なので、十分明るいうちに着く。そしてテント一張り400円と予算内であること。さらに国道238から大きく外れることはない場所で、ついでに海からの日の出も見れそうだ。

よし、ここに決めた。早速僕らは再びバイクにまたがり走り出した。目的の日の出キャンプ場に向かう途中にはラムサール条約で野鳥保護区とされている浜頓別町を通過した。クッチャロ湖のすぐ脇の国道からの景色は最高で、特にこの時はどんよりしていた空から青い晴れ間も出ていた。これまでの疲れが飛んでいくようだった。さらにひた走ると空は再びどんよりとしてきて、いよいよ雨が降り始めてきた。目的のキャンプ場まで後20分ちょっとなのだが、基本お湯を沸かすだけの装備で本格的にキャンプ場でご飯を作る装備を持ち合わせていない僕らは、雨が降り始めたのと同時に早めの晩御飯をいただくことになった。

雨も本降りになり始めたちょうどその時、国道沿いに一軒の定食屋を発見し、僕らは雨から逃げるように、すぐさまその食堂屋に駆け込んだ。駆け込んだ定食屋さんは、なんとも地元民から愛されているような佇まいで、その名も「かどや食堂」。店に入ると「好きなとこ座って〜」という掛け声と共に、奥からいい感じの女将さんがお水を持って出てきた。早速メニューを覗き込むとなんとも香ばしいメニューが並んでいる。

ラーメン系、丼もの系、カレー系、定食系、そして予約すれば焼肉という塩梅だ。しかもここで目を奪われたのは「カツラーメン」というパンチのある一品。おまけにかつラーメンは醤油、みそ、塩とスープまで選べるじゃないですか!!うわーーーーー、ひかれるーーーーと思いつつも、もう一品気になるメニューがあった。観光客丸出しで大変恐縮なのだが、猿払村から続く呪縛、それがホタテラーメン(塩)である。まじかー( ´Д`)y━・~~。さあ、どうする、俺どうすると迷いまくった挙句、呪いがここにきて急上昇。昼の猿払村で一応帆立は食したものの(もちろん非常に美味しかった)、当初の目的であった帆立フライを食べられなかったこともあり、若干の呪いが残っていた。ここで最後の帆立を食べておかないといつまでも帆立の呪縛から逃れられそうにない予感しかしなかった。

うん、決めた!僕は祓いの一撃である「すんませーーんホタテラーメンくださーーーーい!」と声を発した。こうして僕の猿払村から続いた帆立ての呪縛は、素晴らしい塩のスープと共に胃のなかに消えていったのだった。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)

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