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猿払村の帆立という呪縛

バイクでGOGO北海道編 EP10

宗谷岬の極寒から逃げるため、そして単純に腹が減った事によりひたすら僕らは北海道北部東海岸沿いを南に向けて走り抜けていった。僕らが目指す先は帆立の超有名産地である猿払村。ここで帆立を食うという単純な動機でこの村を目指した。すでに時間は昼時を大幅にすぎ、猿払村にある道の駅に着く頃には僕の左手首に巻かれた時計の針は2時を指していた。

この道の駅には、どうやら帆立フライを食べさせてくれるレストランがあるということで、宗谷岬で寒さに震える手で冷え切ったスマホをタップしながら見つけたこの帆立フライの画像は走行中の僕らの頭の中で消えない残像としていつまでも残っていた。またこの帆立フライは定食があるので、凍えきった体を温めることができる味噌汁がセットになっていることも非常にありがたい。

道の駅に到着し広大な駐車場を見渡すと、どうやら食事を提供している店は、当初目指したレストラン以外にも2軒ほど営業していた。その中で1店舗はお土産をメインにしながらも店内にはカウンターとテーブルがあり、食事も出来ますよ的な感じの店であった。このお店の売りは帆立カレー。うーーーんこれも捨て難い。しかしこのお店に帆立フライ定食はなく、とりあえず僕らはキープとした。そして2店舗めは完全にテイクアウト専用のお店で、帆立の串焼きやおにぎりなんかを販売していた。僕ら的にはこれまでの超ロングツーリングの疲れから、ゆっくりと食事がしたかったこともあり、このお店を後にする事にした。そして迎えた、本命の帆立フライ定食を提供してくれるレストランへいざ向かう。お店の外に立てかけてあったメニューの黒板で値段をチェック、お店の雰囲気も昭和レトロな感じが非常に僕たちの興味をそそった。そしてもちろん帆立フライ定食も。という事でやっぱりここかという感じでレストランのエントランスから3歩入ったところで店員に声をかけられた。

僕・・・「2名です。」

店員・・「???」

僕・・・「いやだから2名です」

店員・・「あーー、お客さんですね。すいませんけど2時までなんで今日は終了です」

僕・・・「えーーーーーーー( ´Д`)y━・~~」

改めて僕は自分の腕時計を見ると、針は2時10分を指していた。あーーーーー、まじか〜ー10分遅刻。つまりランチタイムの終了を告げていた。店内には食事を楽しむお客さんたちがたくさんいたが、残念。ルールはルール。ここで無理に入店する事になっても、それは店員さんの休憩時間を圧迫する事になる。これは全く良い事ではない。僕たちにとっては非日常であって、そこに特別な思い入れもあるのだが、地元の店員さんたちにとってはこれが日常である。つまり、自分達の都合で彼らの大事な時間を奪うわけには行かない。大変残念ではあったが、近くの席で帆立フライ定食を頬張るお客さんを横目に僕たちはそのレストランを後にした。

仕方がないと割り切って、では帆立カレーに変更という事で、最初に偵察したお店に向かうことになった。店内に入るとお土産などの物販コーナーには電気がついているのだが、食事のためのテーブルやカウンターの方の電気がついていない。うん、これはやな予感しかしない。結果こちらもランチタイム終了という事で、僕たちは空腹を我慢しながら最後の砦であるテイクアウトのお店に足早に向かった。これで売り切れなんてことがあったら目も当てられない。という事で3店舗めお店に入ると・・・「あった!!」まだ、そこには串刺しになった帆立が置かれている。そしてだいぶ種類は少なくなっているもののおにぎりや丼的なものまで未だ健在であった。腹が減りすぎていた僕らは残り少なくなっていた商品のほぼ全てを二人のおっさんが買い占める形となっていた。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)

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