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「そんな時、どうしたらいい?」

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

私の住んでいる地域では、やっと雪が解けてきて、娘たちと公園で遊べるようになってきました。さっそく遊んでいると、素敵な声掛けをするお父さんに出会いました。

滑り台の上で、怖くて固まる3歳くらいの女の子…

「いいから早く滑りなさいっ!!大丈夫だからっ!!ほら、早くしなさいよっ!!!」
いらいらが募るお母さん…。よくこういう場面に出くわしますよね。小さい子が挑戦してみたけれど、その後「怖さ」と「それでもやってみたい気持ち」との間で揺れ動いている…。でも、周りの大人は待ってあげられず、だんだん言い方がきつくなる…。

お父さん登場!

「お~、そこまで頑張ったんだ!すごい、すごい!」

「でも、ちょっと怖いんだよね。そんな時、どうしたらいい?」

それでも固まっている女の子。お父さんは、温かく見守っています。女の子は固まった末に、立った状態から座りました。

「そっかぁ。座ってみた方が怖くないかもね。いいね、いいね。」

「そこからどうしたらいいかな?手伝いが必要?」

固まる女の子…。かと思いきや、思い切って手を離し、滑りました。
満面の笑みの女の子と、お父さん…。

「そんな時、どうしたらいい?」

この一言、言えますか?けっこう難しいですよね。どうしても、見守る側からすると、最初のお母さんのように待てなくて、「早くしなさいよ!」「こうやってやればいいんだよ!」と急かしたり、やり方を押し付けてしまったりしがちです。

でも、子どもが固まっている状態って、実は「何も考えていいない。」わけではなく、「『どうしたらいいんだろう?』と一生懸命状況を把握し、何ができるかを考えている状態」。それを「途中で遮って、無理矢理やらせる」のと、「子どもの判断を待って、一つ一つ認めて、やり切らせてあげる」のでは、最終的に「滑り降りる」という結果は同じでも、その後に与える影響は全く違いますよね。

「手伝いが必要?」

この一言も素晴らしかったなと思います。もしかしたら、子どもは諦めて「手伝って!」と言うかもしれません。でも、それって自分で判断して、決定していますよね。「今回は、ちょっと怖いからやめておこう。」という意思決定です。こういう意思決定の選択肢を出してあげることも、大切なことかなと思いました。

皆さんは、こういう状況で「こういう時、どうしたらいい?」と言えますか?

正直、私も待てない時が多いです。

〇娘が、鉄棒の前回りの練習をして、怖がって全然練習が進まない…
〇さっとやればすぐ終わることを、なんだかもたもた…
〇勉強がわからなくて、教えている時…

「だから!こうやってやるんだよ!!」って言いたくなるし、言ってしまう時もあります…。

でも、「こういう時、どうしたらいい?」と待ってあげることが、子どもの意思決定する力を育むためには大切なんだなと、今回のケースで痛感させられました。




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