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特別支援学級は、クラスに適応できない子の受け皿じゃない!

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

最近、どこの学校でも特別支援学級がパンク寸前状態…という話をよく聞きます。近年、特別に支援を要する子が増えている…その原因は?…というのは置いておいて、私の肌感覚でも落ち着いて授業を受けられない、クラスに適応できずに教室から出てしまう、教室に入れない、最悪暴れてしまう…そういうケースが確実に多くなっています。

以前に勤務した学校では、低学年が崩壊状態。全校朝会で、全学年がコの字で集まったその他真ん中を平気で走り回る子。音楽の時間にピアノの上に寝ている子。授業中の脱走も日常茶飯事という状況でした。年度末、そのメンバー6人が一気に特別支援学級に転籍しました。

特別支援学級は、クラスに適応できない子の受け皿じゃない!

これはある特別支援学級の先生の切実な訴えです。
「特別支援学級を便利屋みたいに使うのはおかしい。教室に適応できないから特別支援学級に行って、落ち着いたら通常級に戻ればいい…というのは筋違い。それならば、通級(週に数度、学びの教室、ことばの教室通ってサポートを受ける)に通ったり、デイサービスでサポートしてもらったりしながら適応する訓練をして様子を見る方法もある。保護者の協力を仰ぐ方法もある。もっと長い目で見た時に、特別な支援を受けながら生活していかなければならない子のための学級だから。」

長期的スパンで見た時に、本当に特別支援が必要?

私は、通常級の担任として、「この子は特別支援学級の方が幸せなんじゃないか…?」と思うことがあります。
・教室で黙って座っていられない…
・授業に全く付いていけずに辛そう…
・感情のコントロールが上手にできずに、周りと関係を築けない…。

でも、だからといってこういうケースが全て特別支援かというとそうではないですよね。

判断基準は「長期的スパンで考えたときに、本当に特別な支援を必要とした生活を前提とするか?」

中学校の特別支援の先生から話…

先日、中学校の特別支援の先生のお話を聞く機会がありました。印象に残ったのは、進路について。

◯「知」の場合には、高等養護学校の受験資格がある。しかし、「情緒」の場合は、受験資格をもらうには大きなハードルがあって厳しい。「情緒」の場合には、特別な支援が可能な私立を受験するか、通常の高校を受験するかしかない…。今は昔と違って高等養護学校以外の高校受験を希望するならば、それ用のサポートはしている。

小学校で特別支援学級に通う場合、少ない人数で、その子の段階に合わせた学習に取り組めるので、比較的落ち着いた生活ができそうです。ただ、確実に学習との向き合い方は通常級とは違ってきます。将来の選択肢を考えれば、特別支援学級にいくかどうかは大きな分かれ道になる重大な決断ですよね。

あくまでも特別支援を選択するかは、保護者の判断。ただ、そこに関わる担任は、きちんと長期的スパンを見通して関わっていかないといけないなと思いました。

今回、特別支援について書いてみましたが、私自身いろいろな話を聞いて、勉強不足だなぁと痛感させられました。現状を考えれば、これから特別支援の知識はどんどん必要になってきそうです。勉強しないと……。今回の記事でもし認識違いがあれば教えてください。よろしくお願いします。




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