見出し画像

他人のやらかし話はだいたいすべらない

昔まだ会社でOL(もう古い呼称かしら)として働いていたころ、
あなたは大宮エリーさんに似てますね
と上司から言われたことがある

その上司はシニカルな笑いが好きで他部署だったが席は近く、会話をする機会が多かった

当時大宮エリーさんを存じ上げなかったわたしはポカン
その表情から全てを察した上司が、彼女のエッセイ本を後日持ってきますから是非読んでくださいとのこと
言葉通り、翌日エッセイ二冊を持ってきてくださった
その名も 生きるコント ワンとツー

エッセイを貸してくれるときに強調して言われた
決して見た目や経歴が似てるのではない、あなたの働きぶりをみると大宮さんの人生を彷彿とさせる、と

あまり人から本や漫画などを勧められるのが得意ではないわたしだが(単純に読むのが面倒くさい。面白くなかったときに面白くなかったと言うことができず困る)、その上司とは笑いのツボを共有していたため
また本のタイトルにコントという単語が紛れていたため
彼の目から見えるわたしとはどんなものだろうと興味がわき、
帰宅後、早速お借りした本を開き読み始める

まず一冊目、どきどきしながらページをめくる

まず経歴、東京大学薬学部からの大大大企業にご就職
その時点でどよめくわたしの心
そんな大層な経歴ではない
大学は底辺も底辺、会社も地方の中小

しかしどよめくな、彼女の人生がわたしと似てるといったのだ
見た目や経歴ではない

そして読み進める、読みふける、小一時間で一冊を読み切った

感想、わたしの人生こんなに楽しそうに見えるんか
しかも、仕事中のわたしが
マジか
マジですか
ありがとうございます
(仕事を真面目にやれという隠喩だったのかもしれない)

エッセイの中に散りばめられた数々の数奇なエピソード
旅行中の九死に一生、日常のハプニング、奇抜な発想のおかん、
書き方によってはこんなに楽しそうにみえる
なんでもとらえかた一つ次第で人生はコントにもなり得る

だからどうしても今日の私にいいたい

デスクトップ型パソコンが勢いよく倒れたね
倒れた先にマグカップがあったね
当たってマグカップがテーブルから転げ落ちて割れたね
パソコン起こしたら液晶画面がぶっこわれてたね

呆然としたね
悲しかったね
13万円したね
まだ3年でね

そんな今日の私は今までの人生で最高にコントだってこと
輝いてるってこと

この経験はnoteの創作大賞で昇華する


#創作大賞2023 #エッセイ部門

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?