社会不適合者
結婚してから感じていた、大吾は社会不適合者じゃないのかという思い。これが年齢を重ねていくたびに膨らんでいった。
寝る時間も自由、朝は、自分のタイミングで起きる。目覚ましで起きているのを見たことがない。
お店は、基本バイトに任せているが、若いフリーターや、大学生しかいないので、目上の人と話すこともない。常に自分が上の立場。集団行動をそもそも好まない。
地元では有名な大学を卒業している為、大学の友達は、皆それなりに成功している人が多かった。でも、その人達とつるむよりは、オタク仲間や、徹マン仲間とつるむ方が気楽そうだった。
大手保険会社に就職して2年で辞めて、自営業をしているが、果たしてちゃんと申告しているのか?国民年金の支払いとかどうなってるんだろう?とかふと心配になった。
大吾に聞くと、あっさり、面倒やけんしてないと言う。
結婚したからには、年金は支払ってほしいし、そもそも、25歳くらいから払ってなくて大丈夫なのか?
不安になり、年金事務所に電話をすると、今までの未払い分と合わせて倍額支払って貰えばいいと言われ、速攻でその手続きをした。これで、最低限の年金はもらえる。
この行為を過去の自分自身に褒めてあげたい。65歳を待たずに貰えることになるとは、思いもしなかったからだ。
申告については、独身だと正直しなくてもなんとかなると言うか、個人事業主だとしてない人も多いのかもかもしれない。夫婦2人だけの生活であれば、なんの問題もなかったので、私も口では、注意していたが、それ以上言うとキレられそうなので言えずにいた。
後に、マンション購入や、子供の教育上で必ず確定申告は必要になってくると言うことを、知らずにいた。そういう意味では、私も社会のしくみを何も知らなかった。
更にその後個人事業主から、株式会社代表取締役となるのだが、この不適合が大きく首を絞めることになる。
そして、亡くなっても尚税金の呪縛からの戯れられない。日本という国は、どこまで弱者から税金をむしり取るのだろう。怖い国だ。
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