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【読書記録1】告白 

湊かなえ「告白」

今や人気ミステリー作家にまで登りつめた湊かなえ衝撃のデビュー作!
ぜひ、ご堪能ください。


善悪や物事の見方は、別の方向から見れば、大きく変わってしまうものだ


あらすじ

「娘は死にました。このクラスの生徒に殺されたのです」
物語は終業式のホームルームでの教師のこんな告白から始まる。
ほぼほぼ教師の1人語りから始まるこの物語に、ずるずると引き込まれる。

「教師の娘の死」という一つの事件を、犯人やクラスメイト、犯人の家族らが、モノローグ形式で語るミステリー。

所感

本来のミステリーならば、この物語はたった一章で完結していただろう。
第一章の中に、ミステリー小説の全てが完結している。
それにも関わらず、この物語は第六章まであるのだ。

その理由は、この事件を一方向からではなく、多方向から見ているからだろう。
それぞれの目線で語られる「事件の真相」は、徐々に立体的に描き出されて行く。

しかし、それぞれの告白を読み進めると、少しずつ事件の全貌が見えてくるにも関わらず、どこかボタンをかけ違っているような違和感が拭えない。

それはなぜか?
人には感情や思いが存在しており、その気持ちが時に事実を捻じ曲げてしまっているのかもしれない。

常日頃、私たちの眼に映っているあらゆる「事実」は、本当に真の意味での「事実」なのだろうか?
そう考えさせられる一冊だった。

読了後、衝撃のラストになんとも言えない感情も抱きつつ、自分自身の物事の見方も考えさせられる物語であったことは間違いない。

ぜひ一度、湊かなえさんの「告白」の世界を体感してみてはいかがですか?

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