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なにもないわけじゃない、「空白」がある。だからそのまま空けておく。

私が愛してやまないBUMP OF CHICKENボーカル藤原基央の言葉。

コロナ禍になって初めて行われたライブ「Silver Jubilee at Makuhari Messe」のMCでの一幕。結成25周年をお祝いするはずだった2021年、ライブは行えなかった(※厳密にはYouTubeでライブ配信があったのだけれど)。銀婚式を意味するSilver Jubileeを掲げたまま、1年後の結成記念日2022年2月10日・11日に行うはずだったのに、直前の感染爆発の影響でさらに延期を余儀なくされた。そして、ようやく幕張メッセにてライブができたのが2022年7月2日・3日で、私は初日に参戦していた。

ライブそのものは開催できても、マスク必須で意図的な声出しはできない。コール&レスポンスで明確にリスナーが歌う部分がある曲が複数曲ある。そのうちのひとつ「天体観測」の後のMCで、タイトルの言葉が出てくる。

なにもないわけじゃない、「空白」がある。だからそのまま空けておく。


学校に来れなくなっちゃった仲良しの友達を例に出して、空席はそのままにしておくでしょう?って。お互いがお互いの存在を大事にしていて、なににも代え難くて、それを私たちリスナーとの関係にも当てはめてくれて。だから、私たちが歌う部分をメンバーが歌うわけではなくて、いつかまた声出しできる日まで空白のままにしておくって。

コロナ禍のライブ環境については、アーティストによって受け止め方も違くて、なにが正解とかわからないけど、それでもリスナーに全幅の信頼を置いて、「空白のまま待ってるよ」と伝えてくれるのは愛だな~と思ったし、嬉しかった。

そして、アンコールで演奏してくれた「ガラスのブルース」での長い長い空白はとっても切なくて愛しくて、当時もいまも思い出しては涙が止まらない。全員の心の中だけで鳴り響く言葉を噛みしめた。

なんで急にこの話を書いているかというと、ひとりでライブ鑑賞会をしたから。そして、いま私が置かれている「キャリアブレイク」というキャリアの空白にもなんとなく重なる気がして。

いままで積み上げてきたことがなくなっちゃったわけじゃないって思えた。一時的な「空白」期間なだけ、また戻って来れるように空けておく。自分自身と向き合うための空白を肯定してもらった気がする。目一杯背中を押してくれるというよりは、肩を並べて隣で寄り添ってくれるイメージ。


ちなみに、BUMPの音楽には「空っぽ」という歌詞がたくさん登場していて、最初に浮かんだのは「HAPPY」の「愛しい空っぽを抱きしめて」だったんだよね。めちゃくちゃ好きな言葉だし、BUMPが大事にしてくれてる根幹ってずっとずっと変わらないんだな~って思った。

せっかくなので「空っぽ」が含まれる曲を紹介します!
(※順不同です、抜け漏れないといいな……)

HAPPY

終わらせる勇気があるなら 続きを選ぶ恐怖にも勝てる
無くした後に残された 愛しい空っぽを抱きしめて

続きを進む恐怖の途中 続きがくれる勇気にも出会う
無くした後に残された 愛しい空っぽを抱きしめて

HAPPY

ファイター

記憶の匂いばかり詰めた 空っぽの鞄をぎゅっと抱えて

空っぽの鞄は空っぽで 愛しい重さを増やしていく

ファイター

Hello,world!

ご自分だけがヒーロー 世界の真ん中で
終わるまで出突っ張り ステージの上
どうしよう 空っぽのふりも出来ない

扉開けば 捻れた本当の嘘
空っぽのふりのふり 体だけが確か

Hello,world!

Sleep Walking Orchestra

外から窓をくぐった光が 床に作った最初の友達
空っぽの手を容易く取られて 連れ出されてから夢の中

Sleep Walking Orchestra

月虹

何も要らない だってもう何も持てない
あまりにこの空っぽが 大き過ぎるから

月虹

firefly

物語はまだ終わらない 残酷でもただ進んでいく
おいてけぼりの空っぽを主役にしたまま 次のページへ

firefly

arrows

行きたい場所は全部廻った 泣きそうな雲の下
なんにも無くしてないのに 空っぽの気がした それでも

arrows

自分だけの「愛しい空っぽ」を大事に抱えて生きていこ~~!!

いま読んでる最中の本『自分とか、ないから。』にも「空っぽ」が登場してきて、なにかそういうものに惹かれるタイミングなのかもしれない。ほかに読んでる本と合わせて別途感想文note書きます!

それではまたね👋

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