『君たちはどう生きるか』をどう観たか
スタジオジブリの最新作「君たちはどう生きるか」をめぐり、ウェブ上では盛んに感想戦が繰り広げられています。
「現代思想」10月臨時増刊号では「宮﨑駿『君たちはどう生きるか』をどう観たか」と題して特集が組まれていました。
その中で、心理学者、山愛美(やま・めぐみ、1957年~)さんの考察が面白かったので、その読書メモを共有します。
◆山さんとは?
・京都先端科学大学の教授。
・文学作品などを心理学的な視点で分析することで、日本人の意識の成り立ちなどを明らかにしようとしている。
・これまでの村上春樹文学などについての考察などを踏まえながら、「君どう」を心理学的に読み解いた。
◆なぜ心理学的に読み解く必要があるの?
・思春期の子どもにみられる「心の世界」と、宮﨑が見ている世界が似ていると考えるから。
・「混沌」「破壊」「危険」など、思春期に見られる「神経症的」な世界観は、「大人になる」過程で忘れてしまうもの。
・しかし宮﨑はカオス的な世界観を持ち続け、アニメーション作品として表現できる人物と考えるから。
◆心理学的に読み解くポイントは?
・クライアント(患者)の「語り」や「夢」と向き合うような姿勢で、「物語」を受け止めてみる。
・受け止めた「物語」を一旦自分の中に沈めて持ち続け、時間をかけて生じるものを大切にする。
・生じたものを語る言葉が見つかったら、言葉にしてみる。
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