【2025年受験】頌栄女子学院の併願戦略について

 学習相談の手抜きのための「併願戦略」シリーズです。今回は、頌栄女子学院の併願戦略について考えてみます。

 私たちの教室の指導がターゲットにしているゾーンより少し難易度の高い学校ですが、自由が丘から通いやすい学校なので考えてみたいと思います。


基本的な考え方

 まず、頌栄の2日間を日程に組み込みます。

1日/午前:頌栄女子学院    
2日/午前:
3日/午前:     
4日/午前:
5日/午前:頌栄女子学院

ここから、併願校を組み込んでいきます。頌栄の併願校を考えるにあたっては、3点をポイントにして考えようと思います。

  1. 女子校

  2. ミッション系

  3. 早慶を目指す

です。頌栄を共学校と絡めている子は、見たことがないわけではありませんがほとんどいないので、女子校で縛って考えます。また、わりとミッション系で縛る方が多い印象なので、意識して考えていきます。そして、中期的なビジョンとして「早慶を目指す」という目標から考えていきます。それは、頌栄の進学実績から、その特徴が見えるからです。

 今回は、そういった視点から併願戦略を考えていきます。

併願校について

[普連土学園]

 まずは、午後の御守り校として、普連土学園から考えていきます。

日程を差し込むと、以下の感じです。

1日/午前:頌栄女子学院/午後:普連土学園
2日/午前:      /午後:普連土学園
3日/午前:     
4日/午前:普連土学園
5日/午前:頌栄女子学院

 普連土の1日午後の算数単科は、一行問題50問を50分間で解くという特殊な受験です。高い処理能力を求められるわけですが、40分の試験時間で算数の対応力を求められる頌栄と方向性は同じなのかなと。もちろん、問題の難易度は頌栄の方が格段に上なのですが、だからこそ普連土の午後算数への対応に不安がある子は、逆に頌栄を受験してはダメなんじゃないかと思います。ゆえに、午後普連土算数は、頌栄受験への試金石になると考えています。仮に1日午後が残念な結果であったとしても、2日午後・4日午後と取り返しの日程があるので、最悪の展開は避けられそうです。
 普連土の進学実績を眺めても、十分に早慶の可能性を残します。

最終的に本人の頑張り次第になるので、普連土の対応力は頌栄を目指すかどうかの試金石になると考えます。普連土さえ気に入れば、心にゆとりをもって頌栄にチャレンジできるのではないでしょうか。

※注意点ですが、1日午後の結果は、5日の頌栄の結果を待ってくれません。前納金20万は振り込むことになります。

[白百合学園]

 普連土という御守りを確保できるのであれば、2日は白百合に攻めていくパターンもあると考えています。

1日/午前:頌栄女子学院/午後:普連土学園
2日/午前:白百合学園 /午後:普連土学園
3日/午前:     
4日/午前:普連土学園
5日/午前:頌栄女子学院

 白百合は、頌栄よりも格上の学校ですので、どちらが第一志望かわからない日程の組み方になります。無理して受ける必要は無いと思いますが、洗足を受けるのと考え方は同じになるのかなと。洗足は1日・2日・5日に日程がありますが、それと考え方は同じで2日を設定します。2日目を洗足や吉祥女子にするというのであれば、そもそも論として1日もそうするべきです。

※ちなみに、白百合学園も4日までの入学手続きのため、5日の頌栄の結果の前に入学金を振り込む必要があります。

[東洋英和女学院]

 次に考えるのが、東洋英和女学院です。3日に差し込みます。

白百合を受験するのは冒険だと考えれば、実質的な第二志望に差し込める学校は、東洋英和になると考えます。

1日/午前:頌栄女子学院 /午後:普連土学園
2日/午前:白百合学園  /午後:普連土学園
3日/午前:東洋英和女学院 
4日/午前:普連土学園
5日/午前:頌栄女子学院

東洋英和も、本当は一日から受験したい学校ではあります。ただ、ギリギリ3日だけでも良いのかなと。これが鴎友学園であれば、1日からはいるべきでしょう。

通学距離的なことを考えても、自由が丘周辺の子にとっては頌栄・東洋英和で、1日・3日・5日と埋めていくパターンは有りだと考えています。

※ちなみに、東洋英和の3日の入学手続きも、5日の頌栄の結果を待ってくれません。それがつらいところではあります。

[東京女学館]

 ミッション系で縛ると5日の手続きが待ってもらえないという苦しさがあるので、ここからはミッション系という縛りを外して考えた場合の東京女学館を推しておきます。

 合格実績を見る限り、早慶を目指す上では悪い環境ではないと考えています。東京女学館は、

1日/午前:頌栄女子学院/午後:東京女学館
2日/午前:      /午後:普連土学園
3日/午前:東京女学館
4日/午前:普連土学園
5日/午前:頌栄女子学院

という組み方ができます。東京女学館は、募集要項に8日まで入学金の返金をしてくれると明記してあるので、1日午後の手続きを5日の頌栄の結果が出るまで待ってくれます。

そこで、一つ仮押さえをしておいて、手続きが待ってもらえる2日以降の普連土でミッション系に書き換えるというプランを設定します。
 なお、ここでは5日の受験に向かって体力面を考えて、一旦5日の結果を待ってくれない日程を削ります。1日午後と2日午後で東京女学館を取り切ってしまえば、あとは5日の頌栄に向かってしっかりと対策するプランもあると思います。

[田園調布学園]

 5日の頌栄の結果を待ってくれる学校を、もう1校差し込もうと思えば、田園調布学園になります。田園調布学園は、延納届を出すことで、9日まで手続きを待ってくれると募集要項に明記しています。

 田園調布学園を日程に差し込むと、

1日/午前:頌栄女子学院/午後:東京女学館
2日/午前:田園調布学園/午後:普連土学園
3日/午前:東京女学館
4日/午前:普連土学園
5日/午前:頌栄女子学院

という感じになるでしょうか。苦しい戦いながらも、最後まで頌栄を諦めないという戦いをするのであれば、これくらいの日程が穏便だと思います。田園調布学園の進学実績を見ても、十分早慶の可能性を残しています。

大学進学実績で考えれば、頌栄の御守りとしての機能を十分果たすのではないでしょうか。

まとめ

 頌栄を第一志望にして併願を考えるさえのポイントは、「5日の受験を考える」ということだと思っています。もちろん、1日で受験が終れば理想的です。しかし、捕らぬ狸の皮算用で準備を怠れば苦しい受験になるのは間違いありません。それゆえに、5日も受験するつもりでしっかりと考える必要があります。
 そうすると、次に考えるポイントは、「5日の結果が出るまで入学手続きを待ってくれるか」になります。待ってくれる学校で考えるか、入学金を捨てる覚悟をするかで考え方が変わります。そこは御家庭に判断を委ねるところですが、このポイントで大きく戦略が変わると思います。
 そして、最後のポイントは「5日のために体力回復・温存する」です。5日間全日程を勝負の受験にすると、体力が持たないと考えられます。5日の再チャレンジを本命に置くのであれば、4日間のどこかで息をつける日を設けたいところです。それは、少しだけ意地悪な表現をすれば「どこで妥協するか」だと考えています。頌栄がダメだったに納得できる学校をどこに置くのかで、日程の詰まり方が変わってくると考えています。私の考えでは、先に示した

1日/午前:頌栄女子学院/午後:東京女学館
2日/午前:田園調布学園/午後:普連土学園
3日/午前:東京女学館
4日/午前:普連土学園
5日/午前:頌栄女子学院

の日程が一番良いと考えています。東京女学館・田園調布・普連土の3校に関しては、どこもそれなりの早慶の実績を出しています。頌栄よりは格が低くはありますが、前向きに過せれば十分可能性のある6年間を過ごせる環境があると考えています。それであれば、無理に併願パターンを組むよりも、2日まででいったん受験を終えて3日4日を温存し、5日に再挑戦するプランもあると考えています。この日程は、入学手続きの問題もクリアしています。あとは、この三校をどのように評価するか次第です。

 と、ここまで自由が丘を中心にして女子校での併願校を検討してきました。これが、頌栄以北の地域だと話が変わってきます。神奈川県在住でも横浜方面の学校が出てくるでしょう。当然、共学校を絡めれば、さらに複雑な判断が求められるでしょう。ただ、そうなっても、基本的な考え方は変わらないと思います。
 また、頌栄は豊島岡や中等部など上位校の併願としても利用される学校ですので、そういう視点からも考えられると思います。最終的には、御家庭の方針に従ってご判断いただくものと考えます。少しでも参考にしていただければ幸いです。

 なお、これまでの記事は、マガジンにまとめてあります。よろしければ、併せてご参照ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?