【2024年】普連土学園の大学進学実績を眺めて

 「大学進学実績を眺める」シリーズ、今回は普連土学園です。

 これまでの記事は、マガジンにあります。よろしければ、お読みください。


[基本設定]
現役合格者数と現役進学者数と卒業生数を、全てHPにおいて公表している学校を対象としている。
[普連土学園の基本情報]
卒業生数:114名
偏差値 :SS37(2024年 SAPIX vol.1 2/1)

国公立の進学実績について

まずは、国公立についてです。

【進学者数:現役合格者数:進学者/合格者数:進学者/卒業生数】
9名:9名:100.00%:7.89%

 東大はいません。旧帝大は、東北大学の1名です。田園調布学園と比較すると少し寂しい数値ですが、昨年は国公立進学者数が13名いますし、2020年と2021年には東大進学者も出ています。誤差の範囲で考えても良いと思います。特に普連土は、卒業生数が少ない学校なので数値の変化が大きいです。良くも悪くも、誤差の範囲を広く設定するべきかと思います。

早慶上理の進学実績について

 次に、早慶上理の進学実績についてです。

【大学名:進学者数:現役合格者数:進学者/合格者数:進学者/卒業生数】
慶應  :  7名:  9名:77.78%:6.14%
上智  :  4名:13名:30.77%:3.51%
東京理科:  5名:  8名:62.50%:4.39%
早稲田 :10名:20名:50.00%:8.77%

※50音順

進学者数では、田園調布学園とほとんど差がありませんが、卒業生数が違うので進学率で言うと良い数字になります。5人に1人は早慶上理に進学しているので、とても優秀なのではないでしょうか。「早慶」と「上理」の評価をどう判断するかによりますが、あくまで「早慶上理」を一体にして考えるのであれば、進学率は東洋英和よりも少し悪いくらいです。昨年・一昨年は「早慶」ともに2桁の進学者を輩出しているので、何が要因で今年の結果になっているのかわかりませんが、見た目の数値以上に期待して良い学校だと思います。

GMARCHの進学実績について

続いて、GMARCHの進学実績についてです。

【大学名:進学者数:現役合格者数:進学者/合格者数:進学者/卒業生数】
青山学院:1名:10名:10.00%:0.88%
学習院 :8名:15名:53.33%:7.02%
中央  :1名:10名:10.00%:0.88%
法政  :2名:28名:  7.14%:1.75%
明治  :1名:15名:  6.67%:0.88%
立教  :7名:34名:20.59%:6.14%

 GMARCHは、普連土でも「あんまり進学しないんだ」という印象です。早慶上理の方が進学者が多いのですから。こうなると、「GMARCHって何?」という感覚になります。「悪い大学」というつもりはありませんが、中学受験層には、「GMARCH」はあまり相手にされていないと言いますか「保険」感が半端ないです。
 興味深いのは、普連土では学習院の進学率が良く、青山学院の進学率が悪いことです。これまで扱ってきたミッション系の女子校は、青山学院や立教は、他の大学よりも進学率が良かったのです。そこには、何か校風が影響するものがあるのでしょうか。単年の分析では見えてこないものですが、興味深い事例として記憶しておきたいと思います。普連土の数値を眺めると、GMARCHの「G」にも意味が見えてくるものです。

日東駒専の進学実績について

 最後に、一応日東駒専も。なぜ、「日東駒専」なのかは田園調布の記事に書いております。

【大学名:進学者数:現役合格者数:進学者/合格者数:進学者/卒業生数】
駒澤:0名:  2名:  0.00%:0.00%
専修:0名:  6名:  0.00%:0.00%
東洋:2名:28名:  7.14%:1.75%
日本:1名:  7名:14.29%:0.88%

ということで、普連土でも日東駒専への広がりはありません。唯一、東洋大学だけ合格者数が多いのは、学校の方針なのでしょうか。駒澤と東洋は仏教系の大学なので、キリスト教系の学校の視野には入りづらいような気もしますが、学習院と同じで不思議な傾向に感じます。

まとめ

 普連土学園も、4人に1人以上が国公立早慶上理に進学している学校です。それをGMARCHまで広げれば、2人に1人以上進学している学校なので、申し分ないと思います。
 それでいて、医療系大学への進学者も一定数いると見られます。今回は、公表されている合格実績からではデータが取りづらいので、分析は割愛しました。
 また、東京芸大への現役進学者が1名、武蔵野美術大学と多摩美術大学への現役進学者も2名ずついます。音大の進学者など、芸術を志す子達も一定数いるようす。
 それを考えると、重要なのは進学後の6年間で頑張れる人格を中学受験の段階で修練できるかだと思います。いわゆる「燃え尽き症候群」のような形で普連土に進学しても意味がありません。無理をせず、しっかりとした哲学と学習習慣を育てられれば、普連土が良い環境になることは間違いないでしょう。何事も、ネガティブな気持ちで過ごせば、ネガティブな結果にしかなりません。逆にポジティブな気持ちで過ごせば、それを支えてくれるのが普連土や田園調布という学校なのではないでしょうか。

という感じになるのではないでしょうか。
 普連土と田園調布の比較ポイントは、以下の点かと思います。

  • 通学時間

  • ミッション系かどうか

  • 生徒数が、小規模か中規模か

最終的には、直感を信じて良いと思います。客観的に、「どちらが優れている」という話はできない領域です。前向きに進学できる学校を胸を張って選んでいれば、自ずと良い人生を切り拓けるのではないでしょうか。
 私たちの教室では、進学後の学習習慣を大切にして、中学受験の指導をしております。そういった方針の学習塾でよろしければ、一度学習相談にお越しください。


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