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「模試との相性」について~11月模試の考察~@2021年度受験

 模試に関する記事も、シリーズ化しております。

 ここでは、子供たちの頑張りを通して、「模試」について見えてきたことをまとめさせていただきます。

 さて、11月の結果についてですが、日能研の「合格力判定テスト」と四谷大塚の「合不合判定テスト」については、現状維持も含めて、一応右肩上がりで終えることができました。
 ここまで3ケ月の模試の結果からわかった興味深い事実は、子供毎に「模試」との「相性」が存在することです。

 日能研と四谷大塚の偏差値は、その表を見比べると、母集団は同じようなレベルだと思われます。

 しかし、2つの模試を受けさせてみると、必ずしも同じ結果になるわけではありません。日能研模試の方が得意な子、四谷大塚の模試の方が得意な子と別れます。
 全部の結果を集めて、偏差値表を作れば、似たような偏差値表が出来るのかもしれませんが、個々の結果を見ると大きな違いが現れることもあります。一方の模試では合格圏に達していなくても、もう一方の模試では合格圏に達しているというようなことが起こります。
 全体的に言うと、「合格力判定テスト」の方が偏差値が上がりやすい傾向を感じますが、子供によっては「合不合判定テスト」の方が相性が良いという子もいます。2つの模試の間で決定的な差の出る子と、ほとんど差の出ない子がいます。

 以前の記事で、模試の使い分けについて書きましたが、「合不合判定テスト」と「合格力判定テスト」は、どうやら両方受けることにメリットがありそうです。
 たとえば、入試問題についても学校ごとに傾向が違います。偏差値表で同じ偏差値帯に位置付けられている学校でも、子供に過去問を取り組ませてみると、A校との相性は良いけどB校との相性は悪いということがあります。どちらか一方の模試しか受けておらず、そこでは合格確率の結果が出ていないというケースがあった場合、A校の受験に慎重になってしまうこともあると思います。
 そういうとき、セカンドオピニオンとしてもう一方の模試を受けてみるということをお勧めします。そこでA校の合格確率がしっかりと出た場合、過去問との相性を信じて、自信を持って入試に臨んでいいはずです。

 「合格力判定テスト」と「合不合判定テスト」は、母集団の実力は同じだと考えます。しかし、模試の問題の傾向は必ずしも一致しません。そこに相性が現れます。一つの模試との相性だけで、その子の実力を絶対的に測ることはできないはずです。それは、学校ごとの入試問題の傾向が、必ずしも模試の傾向と一致しているわけではないからです。
 模試は、あくまで「模試」です。それを理解していれば、一つの模試の結果だけで全てを判断するのは、とてももったいないことなのでしょう。もしかしたら、複数の模試を受けることで、その子の可能性が開けるかもしれません。

 子供と入試問題の間には「相性」があります。そして、子供と模試の間にも「相性」があります。模試の偏差値を絶対視する必要が無いからこそ、その不確かな模試の偏差値に左右されないためには、より多くの情報を集めることが大切です。

 ゆえに、私たちは「複数の模試を受ける」「複数校の過去問をしっかり行う」は、6年後期では大切な取り組みだと考えています。

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