見出し画像

教育効果のあるゲーム #7

このシリーズも、7本目の記事になりました。
今回紹介するのは、「オセロ」です。

紹介するまでもないくらいメジャーなゲームですし、今更その教育効果を語る必要もないと思います。
たとえば、麻布学園のオセロ部などは有名です。

顧問の村上健先生は、メディアに登場することもあり、そのインタビュー記事などは非常に素晴らしく、教育について勉強させていただきました。

そんな「オセロ」について、私たちが語るのも烏滸がましい話なのですが、前回の「FILLIT」の記事で少し触れさせていただいたので、教室で行っている「オセロ」の対局で分かったことについて、まとめさせていただきます。
なお、この様子は3年生の子達の5月~10月の成長をもとに書かせていただきます。

1.ひっくり返せる場所がわからない

オセロは、白黒の自分の持った方の色で、相手の色を挟んだときにそれを自分の色にひっくり返せるゲームです。
ルールはシンプルなので、理解できないことは無いと思われるでしょうが、対局経験の少ない3年生は意外にも、どこがひっくり返せる場所なのかが分からなくなることが多かったです。
特に終盤は、「どこがひっくり返せる?」と質問してくることがしばしば。石が込み入ってくると、状況判断が難しくなるようです。
子供たちが、盤面をどのように認知しているのかはわかりませんが、「自分の石で相手の石をはさむ」という行為は、意外に難しいようです。

2.ひっくり返せる石がわかっていない

「ひっくり返せる場所」が分かるようになると、次は「ひっくり返せる石がわからない」という課題に直面します。
オセロの場合、ひっくり返せる石は、「縦」「横」「斜め」の3方向に生じます。
この時、3年生は自分がひっくり返そうとした石以外でひっくり返せる石を見落としがちです。
特に、「斜め」のひっくり返せる石は忘れがちになります。
どうも、自分が「ここをめくるんだ」となると視野が狭くなるようで、それ以外のところが見えなくなっています。
そのため、ひっくり返せるところをひっくり返しません。
オセロは、必ずしも「ひっくり返す」ことが、必ず有利になるわけではないので、「ひっくり返さない」ことが有利になることもあります。
また、「斜め」に関しては、ひっくり返していくうちに、返すところがズレていくという現象もありました。
「斜め」にひっくり返す石を進めていけば良いのですが、正確に「斜め」を認知出来ないようです。

まとめ

以上の点から、3年生には「終局まで正確にひっくり返し続ける」ということが難しいと考えられます。
子供たちが、盤面をどのように認知しているのかはわからないのですが、それが正確ではないことはわかります。
9月の3年生のサピックス入室テストの算数で偏差値70を超えた子も、5月の入室時の段階では、同様の認知課題を抱えていました。
今も、まだ完璧ではありませんが、それでも盤面を正確に把握できつつあります。
3年生の段階では「オセロを終局まで正確に行える」ということができるようになるだけでも、立派に成長してくれているのではないでしょうか。
それが、学習のベースの部分になると考えています。

この記事が参加している募集

全力で推したいゲーム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?