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教育効果のあるゲーム #10

10 個目に紹介するゲームは、「quarto(クアルト)」です。

このゲームは、簡単に言うと「〇✕ゲーム」のようなものです。
ただ、勝利条件が 4 つ存在し、且つ相手方から渡されたものを置かなければならないという点で、普通の OX ゲームよりも奥深いゲームになっています。

ゲーム中で求められる「読み」自体は、さほど複雑ではありませんが、一手ごとに勝利条件が変化し続けるため、広範に渡る注意力が必要になります。
また、「相手が置く駒を選ぶ」というルールから、自分がどこに置けるかだけでなく、その次に自分が相手に何を渡しても大丈夫かまで考えないといけない点が難易度を上げています。

私達が、このゲームを通じて特に伸ばせると考えている能力は、以下の 3 点です。

1. 情報整理能力
クアルトでは、状況に応じて「渡してはいけない駒」「置いてはいけない場所」が著しく変化していきます。
その都度、盤面上の何が変化し、その結果自分が置ける(または、置けない)駒がどのように変化したのか、置ける駒を順番に置いて行ったらどちらが先に置けなくなるのか等の情報を整理していく必要があります。
タギロンのように紙にそれらを書き出す機会はないので、そのような整理を自分の頭の中で完結する必要があります。
その結果、短期記憶をし、それらをどんどん書き換えて考えていく能力が鍛えられることになります。

2. 思い込みを疑う注意力
クアルトをプレイする中で負けるのは「自分の思い込みに気付けなかった」場合がほとんどです。
その思い込みは主に前述した短期記憶に依存しているがゆえに起こることなのですが、その書き換えをしていく中でうっかり見落としてしまうという事象が頻繁に見受けられます。
また、自分が選んだ駒を相手に置いてもらうという手続きを取るため、「相手はこの駒をココに置くに違いない」という思い込みも発生します。
そのような中で自分の思考の視野を広く保つトレーニングを行うことができます。

3. じっくりと考える力
クアルトでは、盤面上の情報を整理するにあたって、複雑な状況を分解しながら、どこがどうなっているのかを深く考えることが必要不可欠です。
そのような作業の一つひとつは簡単なものですが、それらを積み重ねていきながら粘り強くじっくり考えることは、子供が一般的に苦手としていることです。
すぐに解法が見えなくても、細かいパーツに分けていくと、基本問題の理解の積み重ねで解ける中学受験の算数の問題と、本質的にはとても良く立て付けが似ています。
そのような粘り腰を身につける上ではとても良い訓練になります。

クアルトは中学受験で求められる能力を身につける上でとても効果の高いゲームだと、私たちは考えています。
プレイ時間も比較的短く、授業の合間等でも使い勝手の良いゲームの一つです。
気分転換に遊ぶ上でも、とても優れたゲームの一つだと言えると思います。

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