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お笑いラジオとテレビの技術的観点からの特異性

 大学の講義で深夜ラジオについて触れられており、ものすごく嬉しくて楽しかったので、思い出として、考察しちゃおうと思い、書きました。


 私は、ニッポン放送で放送されていた、アルコ&ピースのオールナイトニッポン0をきっかけにお笑い深夜ラジオを聴くようになり、最近は、ラジオクラウドのアフタートークも聴く程度にラジオが好きです。(TBSラジオ『空気階段の踊り場』、『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』、『アルコ&ピースdcg』、『さらば青春の光がTaダBaカSaワギ』等を聞いています。)そこで、お笑い深夜ラジオの技術的に実現される部分、内容面をテレビと比較して、メディアと人とのかかわりあい方の違いを考察し、お笑い深夜ラジオはどのように発展していくのか考察します。


まず、お笑い深夜ラジオのテレビの技術的の実現に大きく違う点は2つあります。
一つめは、視覚情報がないことです。その為、テレビよりも情報伝達手段が少なく、コンテンツを理解するために時間がかかるからです。対象者がテレビ視聴者よりも限定された年代であることが考えられます。


二つめは、収録の制約の少なさです。テレビに比べ、関わる人数が少ないため収録時間の時間的拘束が少ないと思われます。最少人数で行う場合、ディレクター、パーソナリティーのみで収録可能で、収録場所に関しても、機材がテレビに比べ少ないため収録場所がテレビよりも自由です。最近の録音放送には、喫煙所やスナック、新橋駅前で収録したラジオ番組もありました。(この番組では、録音機器をパーソナリティーに持たせ、歌舞伎町のカラオケスナックの一日アルバイトとして働いている様子をそのまま放送するなど、機材が手軽で場所をとらないものに進化しているからこそできる放送もやっていました。)人数や時間的なハードルも低いことから、テレビよりも低経費で番組が制作でき、テレビよりも挑戦に対しておおらかなのではないかと感じました。テレビよりもラジオのほうが制作面での制約が少ないということは、テレビよりも自由度の高い放送を作ることができるのではないかと思います。
その為、ラジオの技術的な側面からみた、人とのかかわり方としては、テレビに比べラジオのほうがより限定された人を対象としているのではないかと思います。その影響が番組内容にも表れてくるように感じます。


次に、お笑い深夜ラジオとテレビについて、内容面でも大きく違う特徴が2つあります。


一つめは、お笑い深夜ラジオは「第三者の空間」を強く意識させるということです。お笑い深夜ラジオは、聴いている物理的空間は一人ですが、心が存在している空間は一人ではないような感覚を生み出してくれます。イメージでいうと、2005年のドラマ『電車男』に描写される、様々な年代、性別、環境の中で生活する人々が、パソコンの画面に向かって同じタイミングで同じリアクションをしているような光景が、ラジオを聞いている前にも広がっている感覚があります。この感覚を生み出す理由の一つに、リスナーが送ったメールをパーソナリティーが直接収録内で読むというラジオ特有の大きな特徴があると思います。特に生放送では、メール一通から流れができ、話が進んでいくこともあります。聴いている自分たちが放送を作っていっていくのだといったような当事者感と、パーソナリティー、他のリスナー、自分の三者で時間を共有しているという連帯感、信頼感を強く感じさせる構成はラジオ特有のものなのではないかと考えます。この感覚はパーソナリティーや他のリスナーと友人になったかのような錯覚を生み出し、思い出として残ります。一方、テレビでは、視聴者の声をリアルタイムに読み取り、そのまま放送するということはあまりなく(テレビ東京の『東京ライブ』、NHKの『今夜も生でさだまさし』など一部ありますが)出演者のみで番組が進行していく様子を「見せる」という形は、テレビ特有であると感じます。その為、記憶には残りますが、視聴者がリアルに参加することはないため、思い出にはならないと考えます。


二つめは、テレビでは、できないような内容を放送できるという点です。あるお笑い深夜ラジオ番組では、「深夜に街にいる歯がない人に人生相談をする」というテーマのもと街で、パーソナリティーに直接取材させ、その音声をそのままラジオで流すなど、映像のあるテレビでは、「くだらない」と一掃されてしまうようなことや、リアルすぎて衝撃的なものになってしまうようなことも、音声メディアであるラジオではえぐみを帯びることなく放送できます。また、ラジオでは、「内輪ネタ」を前提にした番組が多く、一回聴いただけでは魅力をつかめない構成で作られている番組も多いです。テレビでも内輪的なネタが組み込まれている部分もありますが、ラジオのほうがその特徴が大きいと考えます。


 以上から、内容面に関してもお笑い深夜ラジオとテレビでは違いがあり、人とのかかわり方においても、限定的な対象者に向けた「第三者の空間」を意識させるラジオと、大衆性が高く、その空間がないテレビには大きな違いがあると考えます。


 技術的な部分と内容的な部分から、今後お笑い深夜ラジオは、限定的な人に深くかかわることができ、共感を得やすいコンテンツとして、直接的な触れ合いができない現在において、“深いファン”を獲得できるコンテンツになっていくのではないかと感じます。理由は、技術的な面から言うと、制作の自由度の高さや対象者をテレビより絞るラジオは、個性の強い放送にしていくことができるからです。また、内容的な面でいうと、ラジオ特有の「第三者の空間」を通して繋がりを創っていくことができ、テレビではできないトークやリスナーとのコミュニケーションを毎週行っていくことで、リスナーは制作者の人柄、人生を深く知ったような気になることができ、リスナーの中に「本当は一緒に過ごしていないのに、共に過ごしたような思い出」を生み出すことができるからです。また、同じ理由で、ラジオ番組の構成作家さんにも深いファンがつき、『作家ファン』というまだまだ発展余地のある推しジャンルができていくのではないかと考えます。

以上から、お笑い深夜ラジオは、共感性の高さを生かした新たな深いファンを獲得する場として、テレビよりも限定された空間で発展していくと考えました。


あと、構成作家さんが集まって構成作家だけのお仕事話やキャスティングトークなんかがあったら聴きたいです。

オールナイトニッポンの改編みました!福田さんえらいことになってますね!!頑張ってください!!!

JUNKアルピー昇格も諦めてないので!!!ほんでまた12時代に降格するところまで夢見てます。

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