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2400kmの旅路。交通手段はやさしさのみ(Part 1)

2016年のゴールデンウィーク、当時21歳の僕はサラリーマン3年目。
なにか今しかできないことをしたい、、
ロードムービーのように面白い旅をしたい、、
長崎でぼーっと過ごしたくない、、
何か自分の方向性を見つけたい、、、

そんな気持ちからヒッチハイクをやってみようと思った。(他にも色んな想いがあったはず)

長崎に住んでいたので、長崎から東京まで約1200km、往復で2400km。
今思うと、とんでもない数字だと思う。
できるのかどうかわからない。
が、やりたいからやる。
そう思って、決断した。

友達にヒッチハイクをすることを話すと、
1人では心配という話で、一緒に行くという。

まぁ、1人より2人の方が安心か、、
ということで2人で行くことにした。

出発当日。
着替えや野宿用のテントなどを入れ、そこそこ重くなったバックパックを背に、ほんとにできるのかと半信半疑のまま家を出た。

なんのノウハウもわからない僕たちは、コンビニで段ボールをもらい、余白がないくらい目一杯に福岡方面と書き殴る。
そして、できるだけ明るい道路脇で、「よし、行こう」とやる気満々に高々と段ボールを掲げた。

1台、2台、3台、、
もう何台、通り過ぎただろうか。
唯一、止まりそうになるのは、タクシーくらいだ。

おいおい、全然話が違う、、
やっぱり長崎では無理なのか、、とぶつくさ友達と言いながら、よれよれになった段ボールを掲げる場所を移動しながらも続けた。

1時間は経過しただろうか、、
高速道路の出入り口となる道路でまだ待っている。

そんな中、反対車線に一台の軽自動車が信号待ちで止まった。
すると、運転席の窓が開き、「ちょっとこっちの車線の方に来て〜!」と女性の大きな声が聞こえた。

僕たちは、ここぞとばかりに横断歩道を渡り、車の近くへ。

よく見ると、運転席と助手席に20代の女性2人が座っていた。

運転手のノゾミさんは助手席の友達を今から送って、福岡方面と帰るらしい。1人になるし、話し相手が欲しいということで、乗せてくれるそうだ。

1時間くらいやっていて初めて乗せてくれる人が20代の女性。
言っちゃ悪いが、ただのドライブデートのようなものじゃん、これ。
こんなに美味しい想いができるのか!
ヒッチハイク最高!

そんな高揚感を押し込め、冷静を装ってお願いしまーす!と後部座席に乗せてもらった。(きっと押し込めてなかっただろう)

そんなこんなで車内では、ヒッチハイクをしている理由だったり、僕たちのことを一通り、話して終えた。

そのあと、ノゾミさんが教師の仕事だったり、元カレの話しを聞き、なんだかガールズトークに入ったような感じだった。

一回きりの出逢いということもあり、きっと自分の中で悩んでいることなど、友達に中々言いづらいことが話しやすいのだろう。

話していると、結婚のことだったり年上というのもあり、当時の僕からしたらすごく大人に感じた。

今、思い返すとあの時、信号がタイミングよく赤になってくれたことも含めて運が良かった。
ノゾミさんが信号待ちにならなかったらと思うと、、。

そして、得体の知れない若者2人を乗せてくれたノゾミさんの優しさ、度胸。

読んでないと思うが、本当にありがとうございました。

初めてのヒッチハイクの成功例で、感謝で胸いっぱいになりながら、福岡のサービスエリアで下ろしてもらった。 

ノゾミさんの「頑張ってね」という言葉が、後々響くことも知らない僕たちはこの調子で楽しく東京まで行けるだろとワクワクしながら、手を目いっぱいにふり、軽自動車のテールランプが小さく消えるまで見送った。

旅は始まった。もう後戻りはできない。本当にこの先もいけるのか。
不安と期待と達成感のカオス。
そんな僕たちは幸先のいいドライブデート?に心躍りながらサービスエリアで次なる出逢いを探すため、動き始める。

続く、、、

⚠️名前は全て適当です。




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