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【絵本】呪われた子 ~ぼっくんエピソード0~

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ぼっくんは、生まれた時からみんなに嫌われていました。


そんなぼっくんでも生まれてすぐは、お母さんと暮らしていました。


「お母さま、この子は悪魔です。医者として断言します。
 今のうちに村の外に捨てないといずれ後悔します。」


「ぼっくんは私の子供です。
 悪魔じゃない。このやぶ医者!
 何を言われても捨てません!」


ママはお医者さんの言葉を無視してぼっくんと暮らしました。


ぼっくんは大好きなママの為に色々なことをしました。


「ぼっくんママ大好き!
 畑からいっぱい野菜をとってきた!嬉しい?」

「誰かのものを勝手にとってきてはいけません!」


「ごめんママ。」


「ぼっくんママ大好き!そこにあった家を持ってきた!新しいの嬉しい?」

「誰かのものを勝手にとってきてはいけません!」


「ごめんママ。」


ぼっくんはだんだんと近所でも噂される存在になってきました。


ぼっくんの愛情表現は、ママをどんどん不安にさせました。


「ぼっくんママ大好き!鹿とたぬきとってきた!嬉しい?」


ついにぼっくんは村の仲間を殺めてしまったのです。


お医者さんの声が蘇ります。

ママは自分を責めました。

あの時にお医者さんの言う通りにしなかった自分を。


そしてついに認めました。

自分の子供が悪魔だということを。


それはある雨の日でした。

ぼっくんはママと村のはずれの洞窟にいきました。


「何があっても我慢しなさい。そうしたらまたぼっくんと
 ママは一緒に暮らせるよ。」




先に行くね。

ママはそう言うと、崖の方へ去っていきました。


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