ホームセンターの繁忙期、GWから母の日にかけてのお話

　ホームセンターに勤務していた頃の話。
　毎年、GWから母の日までは園芸売場が大変な状況に陥る。売れる店によってはレジを2台スタンバイさせていたりする。GWで野菜苗をしこたま売って、母の日でカーネーションを売って有終の美を飾る。まるでカーニバルだ。
　特に母の日当日は忙しい。何といっても花のラッピングの数が半端ないのである。前もって時間があれば、ラッピングをしておくのだけれど、GWで忙しいのでなかなかそれも進まない。
　当日になると、ただでさえ少ない人数でやりくりしているのに、園芸に5～6人もってかれちゃうので、店内は1人か2人になってしまう。そうなると店全体がパニック状態になる。何度呼んでも呼ばれても誰もこない。電話は出れない。通り過ぎる際に、お客様に声をかけられても、「すいません」しかいえずに今応対しているお客様のことをしなくてはならない。
　毎年こんなものである。母の日が終ると暇になるのだが、それまでが、ホームセンターの1年間で1番の稼ぎ時である。
　その期間だけアルバイトを雇う店もある。募集して、来てくれればいいのだが、なかなかこないし、来ても戦力にならないどころか、足手まといになるということもありうる。難しいところではある。
　そうかといってメンバーを最初から増やすことはタブーだ。昔は結構やりたい放題だったが、今はガッチリ人件費をチェックされているから、今の店長たちは大変であろう。
　ただし僕らが店長をやっていた頃と比べると、コンプライアンスはしっかりしている。有給もしっかり取れるし、残業、休日出勤もない。サービス残業もない。よって店は荒れ放題になるのだが、若い入りたての社員にはホワイトないい会社になったものだと思う。
　これで完璧に作業もすすめば、いうことないのだろうが、どこの会社も似たようなものであろうか。楽しくサービス残業していた頃が懐かしい。古い人間なんだろうな、僕は。