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転失気(てんしき)

 以前より、早食い荒噛みのせいか、頻繁におならが出る。困った状況でもお構いなしに屁が出る。何とか音を出さない様にコントロールするのがやっとである。お尻をキュッと縮めて、小出しにすることにより、音を消す技術を手に入れた。それでもうまくいかないこともあり、まともに音がもれたりする。近くの人は気づかないふりをしてくれるけど、少し恥ずかしい。
 道を歩いていてもプップップー、椅子に座ていてもプップップー、人がいないところだとお構いなしに屁をかます。
 何かで読んだ理論によると、早食いすることにより、空気を一緒に胃の中にたくさん送り込んで、屁が増えるという理屈なんだそうだ。それと炭水化物と食物繊維の摂取。この2つは消化しにくくて、ガスが体内で発生し、それが屁になるとか。米は玄米を食べているし、野菜もしっかり摂っている。なるほど食生活の影響か。
 とにかくおならに関しては常に苦労してきた。
 早食い荒噛みを止めてゆっくり噛めばいいのだろうが、そこは性分で仕方がない。何に急いでいる訳でもないけれど、ついつい早食いしてしまう。親の教育が悪い訳でもなく前世からの因縁ってやつだろう。
 玄米は食物繊維とビタミンが豊富で栄養によく、癌にもかかりにくいと聞いたので、白米から代えた。もっとも白米を食べている頃から屁は出続けていたので、実はそれが原因ではない。やっぱり早食い荒噛みなのだ。ただし玄米にしてから余計頻度が増えたような気がしないでもない。
 ただいまダイエット中で、玄米も朝1回に制限している。それでもおならは止まりません。つまりはやっぱり早食い荒噛みのせいである。
 どう考えても、それが原因としか思い当たらない。どなたかか早食いを止めさせる方法をしりませんか。ゆっくり噛もうとして数を数えながら噛んでも10もいかないうちに口の中に食物が残っていない。60年近くこれできたから、今更直るものでもないかもしれない。要するにセッカチなのである。
 セッカチから直さなければならないが、それももはやむつかしい。屁と共に我は残りの人生を歩むのであろう。
 タイトルは落語から取った。意味は、おなら、屁のことである。

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