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配偶者

 家庭内での呼び名は、おおよそ、一番下の子から見た間柄で呼ばれることが多い。一番下の子は名前で呼ばれるが、その上の子はお兄ちゃん、お姉ちゃんである。そしてお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん。
 夫婦同士も、お父さん、お母さんで呼び合うことのほうが多いと思うが、対外的には、さすがにお父さん、お母さんと呼ぶ人はいないことはないが、少ないように思う。「うちのお父さんがね」っていう人はよほど家族中心主義、家族思いの人かな、と思う。
 では何と呼ぶのか。夫、妻、かかあ、カバ、かみさん、あの人、あいつ、御前様、殿、姫、奥さん、旦那、女房、おんな、おとこ、○○(実名)、相方、連れ添い、連れ合い、嫁、婿、配偶者等々。
 カバはよほど、相手が太って、ソファにゴロゴロしているのだろうか。
 殿、姫とか御前様とかは、もはや死語に近いが、旦那はいまだに聞く。どちらかというと、男尊女卑的な匂いを感じるので、あまりいただけない。
 年配の男性で、配偶者を、おんなと呼ぶ人が筑豊のほうに数人いた。炭鉱で栄えていた頃は鼻息が荒かったのだろう。だがおんなとはひどい言いぐさではないか。
 嫁、婿といういいかたも、昔ながらの家制度を感じてあまり印象がよくない。奥さんもそういうニュアンスがある。
 私の知り合いの女性は相手のことを、相方という。どっちがボケでつっこみかは知らないが、結構印象がいいな、と思えた。
 ファーストネームで呼び合うのもいつまでも新鮮な気分でいい。恋人同士の感覚である。
 私はどうしてるかというと、その場、相手でそれぞれ違う。実名でいったり、妻といったりする。以前はうちのかみさんが、といっていたが、刑事コロンボでもあるまいし、何か似つかわしくないな、と思って最近は使わない。もともとはお上様が訛っておかみさんになり、かみさんになったようだ。語源は悪くはないが、目上の人には使えない。 
 まあ何と呼んでもどうでもいいことではあるのだけれど、SDGsの17の目標のひとつ、ジェンダー平等、に準ずる呼び方で呼んでほしいものではある。

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