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老人の詩

 失業保険も終わったことだし、暇なので、そろそろ仕事でもしようかと考えてみた。現状、月1回の病院以外、外出するのは、近所に買い物に行くばかりなので、体が鈍ってしまう。
 かといって精神障碍者なので、簡単に雇ってくれるところも、ないだろう。ただこれまで勤めていたホームセンターにアルバイトで入ることは、そんなに難しい事ではない。近くの店の店長が知り合いなので、多分雇ってくれるだろう。
 だがこれまでやってきた仕事なので、荒が目立つだろうと思うし、アルバイトなので、やっぱり若造に敬語を使わなければならないのだろうな、と思うと億劫になる。
 それより何より、障害が邪魔をして、仕事がまともにできないのではないかという不安がよぎる。多分すぐギブアップするのではないかと不安だ。
 実際働かなければならない訳ではない。経済的には何とかやっていけている。リハビリみたいなものだ。だから別に仕事でなくても趣味の世界でもいい。だがこれといった趣味もなく、若い頃は沢山趣味を持っていたのだが、今は特に何をすることもない。
 だらだらと日々を過ごすだけである。来年になったら妻と沢山旅行に行こうとは思っているが、それも月に1回あるかないかのことだ。ほとんどの時間は無駄に費やしている。忙しい時はこんな生活に憧れていたのになぁと嘆息する。
 吉田拓郎の「老人の歌」をふと思い出した。あそこまでひどくはないが似たようなものかもしれない。


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