道化の手紙 <夕餉>
掌中に握られたる希望の 儚さ、重さに、
心のうち薫じられたるを嘆き
我が掌中のそれを握り潰すことをば能わず、
希望の希望たるをも疑いきれず、
私は私の意気地のなさに飲まれる。
雲なき夕餉にたよりのなさを映し、
父の手慣れぬを見れば、
私の心の頼りなさと、私のこころの健気とを垣間見る。
戻りて見れば
終なき饗宴!
顧りて見れば、
我早戻れず。
そうして居たれば、
嘆きもつのろう
そうして居たれば、
いよいよ不幸だ!
またして私は煙を喫む
それもただただ不幸と云うのに!
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