高橋響『英語ライティングの鬼100則』絶賛ヘビロテ中
先週、待ちに待ったこの本が届いたので早速やりこんでいる。
著者はオーストラリア在住で、長くIELTSなどの指導をしてこられた。
Twitterでもその人柄と的確なツイートで人気を博しておられるため、本書もいきなりベストセラーだ。
想定されている読者は、IELTSや英検1級などのライティングでもっとスコアアップしたい人たちだろう。
なかなかの大部で、盛りだくさんな内容である。以下でこれをおおまかに紹介しつつ、私が主に取り組んでいる箇所も述べたい。
第1章は勉強する上での心構え。といっても堅苦しいものではなくて、書くことを楽しもうというのが趣旨である。勉強しているとこれを忘れがち。なんのために書く練習をするのか?伝えたいことがあるからだ。
2章と9章は日本人がミスしやすいポイントについて。私はここで挙げられているようなミスはほとんどしないが、それでもゼロではない。抜けがないかチェックするために1度だけ丁寧に読んだ。配分単数、配分複数という概念は知らなかったので勉強になった。
3章と4章で説明されるのは、文章を書くための基本的な道具である。かなりの分量であるが、これでも必要十分な量に絞ってあると思う。めちゃくちゃ大雑把にまとめると、必要な道具は、因果関係を表す表現、何々が重要、問題と解決策、これらを表す表現である。
これでもかと詰め込んであってこんなん覚えられへんやろと言いたくなるライティング本もあるが、本書に関してはその心配はない。そのかわり全部身につけるというつもりでやるべきだ。というか5年前IELTSの勉強を始めたときにこの本があればあんなに苦労しなくてすんだのに、と言わざるをえないほど分量が適切なのである。
5章は自然な英語にするためにセオリーの説明である。日本語との違いがよくわかるので、読解や英日翻訳にも役立つのではなかろうか。
5章の一部と6章は、3・4章よりもよりかっこいい表現の紹介。接続詞、無生物主語、分詞構文をマスターしよう。
なおかつ、すっきりした英文にすることが強調されている。あるていど書けるようになると、ついつい書きすぎてしまって冗長な英文になりがちだ。今の私はこの状態にはまっていると気付かされた。
5章や6章がパーツを組み合わせて文を作ることなら、7章と8章はそこからさらにパラグラフやエッセイへと発展させるための解説。本書の核心といっても過言ではない。
パラグラフ・ライティングの基本と、Transitionの使い方についてだ。これは日本語で論文を書くときにもきっと役に立つ。そういう書き方をこんなにシンプルかつ丁寧に解説してる本はなかなか無いよね。そしていかに普段自分がひとりよがりな文章を書いてるか思い知らされた。
10章はテーマ別のアイデア集である。標準レベルのボディと、ハイレベルなボディが並列してあるので、どうすればレベルアップできるか一目瞭然である。この章こそ私が一番やらなければいけないパートだ。いまはよく読んでいるところだ。よく読んでそのうち写経する。
またIELTSなどでなにを書いたらいいかわからないという人にとっても非常に役立つのではないか。ここで紹介されている25のアイデアを暗記すれば書くことがないってことはなくなるだろう。
そしてあとがき。著者自身によるエッセイに、本書にこめた熱い想いが記されている。もちろん写経した。
本書全体で繰り返されるのは、先回りして読者の疑問に答えようということである。すなわち読者への愛である。どうも最近このことを忘れてしまって、ほらほら俺はこんな表現も使えるぜってなりがちだったように思う。1章で、書くことを楽しもう!、書くことは何が楽しいのか?、と丁寧に述べられていることの意味を噛みしめるのであった。
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