2022年読んでよかった小説とか
一生のうちに読める本は限られている。だから社会科学や人文系の本をたくさん読むために、フィクションはあまり読まないようにしていた。
でももうそこまで考えなくていいかなあと思い、今年から小説なども多く読むようになったわけである。
今年の初めのほうに読んでめちゃエモくなったのが森博嗣の自伝的小説。
これはとても良かった。
今年は断捨離しまくっているので、実家の本棚からいろいろな本が出てきた。高村薫のハードボイルド小説もそのうちの一冊。
再読してこれまた非常にエモくなることができた。
この2冊は特に良かった。
今年は最近の東京文学みたいなのもまあまあ読んだ。
中でもこの3冊は面白かった。
とりわけ『翼の翼』は、ますます過熱する首都圏のお受験を生々しく描いた傑作である。
来年早々にもタワマン文学の話題作が出版予定であり、さくっと読むつもりである。
今年はウクライナやロシアに関する本をけっこう読んだのだが、その中には小説もあった。
ことに『同士少女よ 敵を撃て』はさすがベストセラーだなあという面白さであった。
芥川賞作家による『小隊』は北海道が広いということがよくわかる。
『親衛隊士の日』はこれぞおそロシアって感じで笑いながら読めた。
今年はいろいろな人が亡くなったが西村賢太氏もその一人。今まで読んだことがなかったが、豪快な死にっぷりに感服していくつか読んでしまったのだ。
代表作の『苦役列車』がいちばん読みやすかった。合掌。
映画の原作もいくらか読んだのである。
映画化されるくらいだから面白いに決まっているのだが、『ある男』は特によくて映画も観てみたいと感じたのである。
『トゥモロー・ワールド』は先に映画を観ており、原作とはだいぶ違うのだなあと思った。
『スカイ・クロラ』もだいぶ前に映画を観ていたのだが、わりと忠実な映画化だったとわかった。もちろんそのことによって映画の評価が上がるわけではない。
ずっと食わず嫌いしていた村上春樹の長編を読んだのも今年のおおいなる進歩である(『神の子は踊る』は読んだことがある)。
これらを読まずに40年以上生きてきたのはもったいないことだなあと思った。しかしどれも面白かったものの、冒頭に上げた2冊ほどではなかった。
という感じでたくさんの小説を読んだ。それで気がついたのだけど、面白い小説ってスイスイ読めるね。
来年は今年ほど読むことはないだろうけど、気になったものは積極的に手を出していきたいな。
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