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#460 労務論11|従業員が喜ぶ「福利厚生」について

毎回書くのが悩む労務論、
これまでは「社会保険」「健康診断」「休日・休暇」など、会社にとって実施義務・提供義務がある内容に関して解説しましたが、今回のテーマである「福利厚生」はそれらのMustの内容に比べると、ほとんどが法律上無くても良いものだったりするのですが、企業にとって福利厚生はShouldであり、Betterであるのです。

そんな福利厚生について紹介しましょう。


福利厚生について

福利厚生とは?

福利厚生とは、企業が従業員とその家族に提供する報酬やサービスです。福利厚生には、手当や慶弔金などの金銭支援、休暇の付与、カフェやトレーニングルームなどの社内施設サービスなどがあります。

そして、下記に関しては福利厚生における義務との事で「法定福利厚生」と呼ばれています。
以前に「社会保障とは?」の項目で勉強した内容です。そこでは「子供・子育て拠出金」に関する記述はありませんが、これもマストなんですね。

  • 健康保険

  • 厚生年金保険

  • 介護保険

  • 雇用保険

  • 労働者災害補償保険

  • 子ども・子育て拠出金

ちなみに健康診断などは「法定外福利厚生」と呼ばれており、基本的に上記以外はすべてこちらとなります。


企業はなぜ福利厚生を用意するのか?

下記のような理由となります。

福利厚生の充実は、従業員の満足度やエンゲージメントの向上につながります。また、企業にとって採用活動や人材定着にも関わるため、非常に重要な人事施策といえます。

まぁ従業員に辞められたら元も子もないので、従業員満足度を高めるために、企業は福利厚生を用意するんですね。


良い福利厚生とは?

1.特別休暇

有給休暇の付与は会社の義務ですが、それ以外の特別休暇は喜ばれますね。
これまで私が入社した会社では「誕生日休暇」「入社*周年記念休暇」「勤続3年で10連休」「プロポーズ休暇」「LOVE休暇」など、色々な休暇制度がありました。
特筆すべきはプロポーズ休暇ですが、僕は多分過去5年くらい使ってなかったこの休暇を使って奥さんと結婚しましたね笑
他にも「ボランティア休暇」「裁判員休暇」など企業によって独自の休暇制度があるようです。


2.特別手当

嬉しいのは「住宅手当」ですね。
会社付近に住む条件はあれど、この制度を使えば幾ばくかのマネーが入るので、地方出身の新入社員などは使わない理由が無い制度です。
同様に「通勤手当(交通費)」もですが、これがない会社はそう無いでしょう。
あとは慶弔時における「結婚手当」「出産手当」なども嬉しい制度だったりします。
それ以外は「勤続年数手当」「各種表彰」など、色々な手当てがありますが、やはりマネーは喜びますよね。
Money Changes Everythingですね。


3.能力への支援

これは「外部セミナー参加無料」「書籍無料」「資格取得サポート」など、自身のスキルアップに繋がる内容であれば、会社としても支援しまっせというものですね。
この手の個々人のスキルアップは最終的に会社に還元されるので、投資のような形で支援してくれる会社のも最近は多いですね。


4.家族への支援

良い企業の福利厚生は、本人+家族にもサービスが適用されます。
「家族も保養所利用」とかは良くありますが、イケてる企業ですと「家族も社員旅行に帯同」とかあったり、あとは「育児支援」「介護支援」など、そのような支援も嬉しいですね。


悪い福利厚生とは?

福利厚生はアドオンで喜ばれるものなので、「悪い福利厚生」というのはそんな無いですね。どんな福利厚生でも嬉しいものです。

ただ、「無理やり資格の勉強をさせられる」とかはあるかも知れませんし、「休日に社員旅行がある」とか、従業員の意向や意見を度外視したりする福利厚生は歓迎されないでしょう。

ただ、これらの福利厚生を喜んでいる人もいるので、その辺はバランスが難しい所ではありますが、シンプルに従業員の半数以上が喜んでいるかなどが基準となるでしょう。


まとめ

今は完全に売り手市場なので、企業は従業員の離職防止と、新規採用で差別化を図る為に、プラスワンが必要となってきます。
その為に福利厚生の役割は大きくなっていくでしょう。

ですが、福利厚生はあって当たり前なので、福利厚生単体で何かを変えられるほどのパワーは持っていないという事も覚えておかなければなりません。
良い会社は福利厚生でより良くなるのですが、悪い会社は福利厚生がどんなによくても、人離れて行ったりしてしまうので・・・
その点は注意しなければなりませんね。


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