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#290 労務論⑥|健康診断

本日の労務論は「健康診断」について紹介いたします。
以前に下記で勉強した際の「5」に当たる、労務担当が行わなければならない業務ですね。


会社が行う"健康診断"とは?

企業は労働安全衛生法 第66条に基づき、医師による健康診断を従業員に受診させる決まりがあります。
これを守らなければ50万円以下の罰金が下されるのですが、罰金よりも従業員のケアが重要なので、健康診断は行わなければならないものなんですね。

まぁ法令遵守とかは置いておいても、従業員の健康確保のため、健康診断の実施は「企業側が果たさなくてはならない役割」だといえます。

ちなみに正社員だけではなく、契約社員・パート・アルバイトも対象とのことです。
僕は大学時代にカラオケでバイトをしてましたが、そこで健康診断を受けた記憶はありませんが・・・まぁ、これ以上は言わないでおきましょう笑
(と書きましたが、アルバイトは正社員の 3/4以上働く場合に限るみたいですね。流石にそこまでは働いてなかったっす)


会社が行う"健康診断"の種類

厳密には「一般健康診断」と「特殊健康診断」の2つがあり、「一般〜」の中でも全部で5つあるらしいですが、そのうち代表的な2つを紹介しましょう。

1.雇入検診

新入社員を雇入れる時に、「雇入れ時健康診断」を実施させることは、労働安全衛生法に基づき事業所に義務付けられている制度です(労働安全衛生規則 第43条)
新入社員の入社前後3ヵ月を目安に受けさせるのが一般とのことですが、多くは入社後3ヶ月以内に実施する気がします(我々の会社もそうです)

目的としては、常時使用する労働者を雇い入れた際における適正配置、入職後の健康管理に役立てることですね。
ただ、この雇入検診を入社前に行い、健康診断で異常があったとしても、この結果だけで内定が取り消しになることはほぼありませんと謳っており、この"ほぼ"が意味することは・・・真相は闇の中ですね。

もちろん費用は全額会社負担です。


2.定期検診

1年に1度の定期検診、これも社会人の義務ですね。
間隔が1年以上空くことなく、定期的な受診が必要となります。

また、深夜残業が多い方(大体週に1回、月4日以上22時以降の勤務がある方)は、半年に1度の健康診断が必要となります。

ちなみに僕は社会人で4つの会社を経験しましたが、1社目は同じビル内のクリニックに行かせられ、2社目は健康診断バスが会社に来てくれて、3社目と4社目(現職)は、提携の病院・クリニックに赴いて健康診断を受けております。
スタイルも多種多様ですね。


"健康診断"実施の企業サイドの留意点

1.日程は余裕をもって設定しましょう

あまりにも未来過ぎるのもアレなので、3ヶ月前とかそれくらいの日程調整がベターですね。
既に社内行事とかが発表されていたら、そこには被せないように調整するのがマナーです。
(毎週水曜日の午前中に会議がある部署のメンバーは、そこを外すなど)


2.従業員がちゃんと健康診断に行くかを細かく管理しましょう

基本的に、労務担当が従業員の健康診断の日程調整から行うケースがほとんどと思いますが、僕らは人事・労務担当は「従業員=アホ」という認識で、赤子をあやすように、全ての物事を行なっています。
周知・アナウンスを見ていなかったり、よしんば見ていたとしても平気で忘れたり、もっと酷いのになると認識しているのに行かなかったり・・・
もう、アホばっかりなんです笑

なので、お母さんのマインドで「明日だよ?」「持ち物持った?」「忘れ物はない?」みたいな感じで手厚くケアしましょう。


3.前日の過ごし方はあらかじめ注意事項しましょう

前日の食事は21時(健診の10時間前)までに済ませることが大切ですし、前日の飲酒はもっての他です。
当日は水やお茶以外の飲み物の摂取はNGですし、検尿がある方は前日の性的行為(手淫なども含む)は、20代の社員には酷でしょうが、我慢させましょう。
喫煙もダメなところはダメなようですね。

しかし、従業員はアホなんで、これらの禁忌を守らんのです泣
「前日飲み会だったので・・・」とかいけしゃあしゃあと言いながら、鬼のようなγ-GTPのスコアを記録するアホどもがウヨウヨいます。
なぜわかるかというと、昔の僕もそうだったからですね笑

なので、ここもお母さんモードを発動させましょう。
Like A Motherスタイルで、手のかかる子をあやしましょう。


4.オプション検査を推奨しましょう

35歳以上の社員にX線検査、バリウム検査、胃カメラ検査、内視鏡検査、女性社員へは乳がんなど、そうした内容で「検査項目にはないけど、別途オプションで検査しませんか?」的な提案もしてあげるのが良いでしょう。

ただ、これは会社によって差分を負担する・負担しないみたいなのがあったりするんですが、会社の体力があれば負担してあげても良いかも知れませんね。


5.再検査になってしまった人へ

そして再検査になってしまった迷える子羊達には、火急的速やかにひっそりとお知らせしましょう。
かなりデリケートな問題なので、もちろん情報は厳秘で!


まとめ

そんな感じで従業員が健康診断を受けるのは必要なのですが、労務担当は従業員に健康診断を受けさせるという作業を行うことで、決まりを守らない従業員に疲弊し、摩耗し、健康を損なう可能性があり、例え間違ってますがミイラ取りがミイラになる可能性もありますので、その点を留意して従業員の健康を守りましょうね!

おまけ)
ちなみに労務担当になる前に、従業員として下記の手記で「胃カメラ」にチャレンジしている手記もありますので、あわせてどーぞ。
(全然大したこと書いてないですけど笑)




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