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#563 蹴球論53|2004年アテネオリンピック ~谷間の世代の奮闘~

アテネ五輪のサッカー競技は一番熱中して見ていた記憶がありますね。

シドニー世代(黄金世代)は鬼強かったのと、当時1985年以降のアンダーが強かったのか記憶は定かでは無いですが、その強いと強いに挟まれた「谷間の世代」という不名誉な形容をされてしまう、そんな世代でした。
この世代の監督は人間力でお馴染みの山本昌邦監督。個人的にはかなり好きな監督でした。

そして前回紹介しましたが、食中毒に苦しんだり、まさかのバーレーンに敗れたり…とボロボロになりながらも予選突破。大久保がカッコよかったですね。

その後に大阪の長居で行われた壮行試合も見に行きました。
韓国に2-0で快勝!気持ち良かったですね!
松井のファンタジックパスに興奮したものですが、もう20年前なんですね…

そして来る本選に向けて、発表されたメンバーは以下の通り。


アテネ五輪 サッカー日本代表メンバー

選ばれた18人は下記の通りです。

本選メンバー
  1 GK 曽ヶ端 準(24) 鹿島アントラーズ ※OA
  2 DF 田中マルクス闘莉王(23)浦和レッドダイヤモンズ
  3 DF 茂庭 照幸(22)FC東京
  4 DF 那須 大亮(22)横浜F・マリノス
  5 MF 阿部 勇樹(22)ジェフユナイテッド市原
  6 MF 今野 泰幸(21)FC東京
  7 MF 森崎 浩司(23)サンフレッチェ広島
  8 MF 小野 伸二(24)フェイエノールト ※OA
  9 FW 高松 大樹(22)大分トリニータ
10 MF 松井 大輔(23)京都パープルサンガ
11 FW 田中 達也(21)浦和レッドダイヤモンズ
12 DF 菊地 直哉(19)ジュビロ磐田
13 MF 駒野 友一(22)サンフレッチェ広島
14 MF 石川 直宏(23)FC東京
15 DF 徳永 悠平(20)早稲田大
16 FW 大久保 嘉人(22)セレッソ大阪
17 FW 平山 相太(19)筑波大
18 GK 黒河 貴矢(23)清水エスパルス

バックアップ
19 FW 坂田 大輔(21)横浜F・マリノス
20 MF 前田 遼一(22)ジュビロ磐田
21 DF 北本 久仁衛(22)ヴィッセル神戸
22 GK 林 卓人(21)サンフレッチェ広島

OAの招集が確実視されていた高原は、エコノミー症候群の為無念のリタイア。それによって高松か平山のどちらかが残る図式に。
サプライズはこれまでのチームキャプテンの鈴木啓太が外れたこと。あとは同郷の雄・山瀬も外れましたが、なんとなく山瀬は外れそうな予感がしてました(松井・小野がいるので)
とにかく、18人という限られたメンバーの収集になるので、複数ポジションをこなせるポリバレントや、石川などの飛び道具的な選手が招集されたのも理解できるので、個人としては納得の陣営でした。

世代別に見てみると、やはりですが最年長の1981年世代が一番多いですね。
ちなみに「学年」でくくってるので、83年の早生まれの今ちゃんとかは82世代でくくってます。

1981年世代
闘莉王、茂庭、那須、阿部、森崎、高松、松井、駒野、石川、黒川、前田、北本、林

1982年世代
今野、田中、大久保、坂田

1983年世代
徳永

1984年世代
菊池

1985年世代
平山

ちなみにこの後にW杯に3大会連続で出場する川島(1982年世代)と長谷部(1983年世代)が呼ばれてなかったりするから、分からないもんですね。
そしてアトランタの頃の中田英&松田ぶりに飛び級で入った平山が、次の北京五輪でメンバー落ちするなんて誰も思わなかったですし…


死の組

そんなオリンピック予選ですが、グループリーグの組み合わせが発表された時に誰もが「これはキツイ…」と言ってましたし、サッカーダイジェストもマガジンもかなり辛辣に評価していた記憶があります。
相手はイタリア、パラグアイ、ガーナです。

今大会の優勝候補とも言われたイタリアは既にセリエAでバリバリ活躍するジラルディーノデ・ロッシというモンスター達がいてそれだけでエグイんですが、前年にミランの不動のボランチでチャンピオンズリーグを制した稀代のレジスタ、アンドレア・ビルロがOAでやってきました。鬼!
更にはフェラーリなどの経験のあるOAも入ってくる、なかなかキツイ布陣。

パラグアイもバリバリに活躍するOAを入れてきたり、ガーナもU-17とかでかなり強かったメンバーがそのまま持ち上がり、アッピアーとかがいたりで、なかなかハードコアなメンバーが集ってました。

同じくアジアから出場する韓国とかイラクとかは比較的楽なグループで、結果この2チームともに上位に入って決勝トーナメント進出しているので、それだけに悔やまれるグルーピングでしたねえ。


予選リーグ

第1戦|日本 3●4 パラグアイ

そして初戦のパラグアイ戦です。
この試合、僕はちょうど北海道に帰省していて、もっと言うと高校時代の先輩とすすきので飲んでいて、すすきののバーでこの試合を観戦したんです。

そんな感じで始まったパラグアイ戦ですが、開始早々に那須のあり得ないミスから失点!なにしてくれてんねん!
その後小野が冷静にPKを決めるも、とにかくパラグアイのエグイ攻撃陣が攻める、攻める、攻める!
小野が再度PKを決めるも、気づけば2-4の劣勢。

そして後半、徳永が田中達也にロングフィードを送り、達也が中央にセンタリングをいれて、最後にトーキックで決めたのは大久保
このシュートはかなり熱かったんですが・・・時すでに遅し。

乱打戦の結果、3-4で惜敗という結果に終わりました。

ちなみに那須のYouTubeで大久保が当時を述懐し、「殺してやろうかと思った笑」と言っており、那須はこの件で20年の時を超えても未だにイジられてますね笑


第2戦|日本 2●3 イタリア

続くイタリア戦、敗れはしたもののメチャクチャ面白い試合でした。
この年はサッカーを多く見た1年でしたし、良い試合はたくさんありましたが、この試合はその中でもTOPクラスの見ごたえのある試合でしたね。

まず、ローマで活躍するデ・ロッシがあり得ないバイシクルシュートで開始早々先制するんです。マジでこれはどんなGKでも取れないシュートでした。
そしてその後にジラルディーノが茂庭との1vs1をうまくかわして2-0と差を広げられるんです、が!

和製ベッカムと呼ばれたFKの名手・阿部のビューティフル・フリーキックが決まり、1-2と追い上げる!「俺たちはまだ負けちゃいねー!」ですね。

しかし、イタリアは強かった。
ジラルディーノは旨さも強さもありますが、身体能力もある選手だったので、クソ高い打点のヘッドで試合を決定づける勝ち越し弾。3-1に。

後半試合終了間際、阿部のFKから高松が押し込んで2-3まで迫りますが、ここで敗戦。

この敗戦で予選リーグ突破の芽が消えてしまいました…

ただ、本当にイタリアは強かったです。
それは間違いないでしょう。


第3戦|日本 1○0 ガーナ

そして最終戦。
日本にとっては消化試合でしたが、この時点でパラグアイは勝ち点3,イタリア勝ち点4,ガーナは勝ち点4という状態で、ガーナは日本に勝てば決勝トーナメント進出だったので、ガチでやつらは挑んできました。
ただ、日本も意地を見せたいところです。

今大会スタメンの機会が無かった菊池、石川などがスタメンで出場したこの試合、一進一退の中後半、スタメンに抜擢された菊池のロングボールを大久保がループ気味のヘッドで決め、その1点を守り今大会初勝利
この試合は実家で見ていた記憶があります。


まとめ

そんな感じで予選敗退に終わったアテネ五輪でしたが…
同組のパラグアイが準優勝、イタリアが3位だったと考えると、マジで地獄のグループだったという事が頷けるので、まぁ致し方なかったのでしょう。(ちなみに優勝はアルゼンチン)

そして、アテネで活躍して大久保は海を渡りました。
個としては非常に実りのあった大会と言ってもよいでしょう!


そして、この大会で辛酸をなめたメンバーが這い上がり、6年後の南アフリカW杯で活躍したのは本当に嬉しかったですね。
その辺もまたゆっくり紹介したいと思います!

そんな感じで2004年のサッカーネタも大分紹介してきましたが…そろそろおしまいですね。
次回、2004年のJリーグを振り返りたいと思います!


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