#814 アルバム論54|バームクーヘン / ↑THE HIGH-LOWS↓(1999)
ついに・・・
このアルバムについて紹介する時が来ました。
1999年、高校1年生の僕の心に響きまくったアルバムはMAKING THE ROADでしたが、その次はと尋ねられると、僅差でこのバームクーヘンと僕は答えるでしょう。
その次は無罪モラトリアムですかね・・・
もう高校時代、マジでアホみたいに聞いてましたね。
とにかく最高にカッコいいアルバムであり、僕の求めるカッコいいの全てがこのアルバムに凝縮されていました。
「バームクーヘン」とは?
3rdの「ロブスター」で、これまでのアンチブルーハーツ感を脱し、純粋にブルーハーツ時代のように楽しい音楽をやるというスタンスに回帰した感じで、非常にいい感じのアルバムだったんですが・・・
本作は、更にブルーハーツの過去、初期の初期まで回帰!笑
もう、ブルーハーツの1stくらいの時期まで戻ったんじゃね?と思うくらいの、とにかくゴリゴリのロックロールであり、パンクロックである本作バームクーヘン。最高に大好きです。
僕はこれまで、ハイロウズの1st~3rdと、リリースされたCDは割とリアルタイムで聞いていたんですが、所有するまでには至っていなかったんです。
ただ、このアルバムを従兄弟の家で聞いて、「あ、これは買わなきゃダメだ」と思い、リリース直後に購入し、そこから活動休止の2005年までハイロウズはリアルタイムで追っかけましたね。
周りでもこのアルバムを推す声は多かったですね。
ハイロウズファンじゃなくても、このアルバムだけは持っているという剛の者たちが結構いました。
ハイロウズファンを集めて、一番好きなアルバムを聞いたら、恐らくブッチギリでこのバームクーヘンをみんなが挙げるでしょう。
それくらいパワーがあり、最高に聞きまくった名作です。
「バームクーヘン」歌詞カードの紹介
とにかく聞きまくったので大分汚いですが、これもこれで青春です。
「バームクーヘン」魂の全曲紹介
1. 罪と罰
この曲はハイロウズの12枚目のシングルなんですけど、まさに1曲目に相応しいキング・オブ・1曲目ソングですね。
とにかく、最高にカッコいい曲です。
いきなり始まるマーシーの鬼リフがとにかくシンプルだけど、メチャクチャカッコよくて、ヒロトの「オーライ!」で、ベースとキーボードが乗る辺りは鳥肌が出るくらいカッコいい。
そこからの強い勢いのリフそのまま始まるヒロトのヴォーカルが本当にエグイんです。
この曲を聴いて、カッコいいと思わない人間は果たしているでしょうか?
そんな奴こそが重罪ですね。
ライブではリラクシンのツアーと、マスタングのツアーで2回聞いてますが、2回ともエグかった記憶がありますね。
そしてこの曲はPVがクソ適当なんです笑
絶対もっとカッコよくできるのに・・・まぁそうしない辺りがハイロウズの魅力だったりもするんですが・・・
ドラムもベースもギターも、キーボードもブルースハープもヴォーカルも、全ての音がカッコいい。
とにかく永遠のロックアンセムですね。
2. チェンジングマン
「ミサイルマン」「ジョーカーマン」「(不死身の)エレキマン」に続く、〇〇マンシリーズですね。
この手の「〇〇マン」はヒロトが好きな印象がありますが、この曲はマーシーの曲だったりします。
超攻撃的なオープニングナンバーである「罪と罰」の勢いそのまま、1曲目と2曲目の間隔も短くいきなり始まるんですが、いい感じに力の抜けたロックンロールであり、マーシーのギターがいい感じに響きます。
ベースラインも結構好きですね。
そしてこの曲は歌詞が結構熱かったりします。
シンプルだけど、大分この曲にも背中を押された気します。
そんな感じでカッコよすぎる1曲目と最高すぎる3曲目に挟まれた曲ですが、いい感じに両方を繋げるブリッジになっている曲ですね。
3. 二匹のマシンガン
初めてこの曲を聴いた時、その美しさに泣きそうになりました。
とにかくブルーハーツ時代を彷彿とさせる懐かしいメロディながらも、ブルーハーツ時代から遥かにレベルアップした歌詞、メロディ、演奏、展開・・・とにかく最高です。
このアルバムの最高傑作と言わしめたのは、このレベルの曲がアルバムの1曲であることでしょう。
とにかくこの曲の特筆すべきポイントは多いのですが、1つは言うまでもなくメロディです。
ハイロウズの全楽曲の中でもトップクラスに美しいメロディは、Aメロの「夜の宝石を」の時点から素晴らしいし、Bメロの「今夜も流れる」も素晴らしく、サビ(?)の「ただそっと」のところも、本当に全てが優しくて、メロウで、美しいメロディですね。
そして2つ目は歌詞でしょう。
とにかくその歌詞の世界観の美しさも素晴らしく、漫画「べしゃり暮らし」で引用されたくらいに、とにかく言葉の意味は分からずとも、響き、残る歌詞がこの曲にはありますね。
そして最後の3つ目が白井さんのピアノです。
この曲のピアノは本当に大好きで、大好きで、大好きで・・・
間奏でギターソロが終わった後のピアノも好きですが、やはりアウトロのピアノですね。もうこれが泣ける、泣ける・・・
これほど素晴らしい曲はアルバムの1曲としてリリースし、アルバムリリース後はライブでも一切やらないというのが本当に勿体ない!
勿体ないオバケが出てしまう、そんな曲ですね。
4. モンシロチョウ
この曲も攻撃的で好きですね。
「罪と罰」と「二匹のマシンガン」の間のチェンジングマンもですが、「二匹のマシンガン」と「ハスキー」の間のこの曲も絶妙なんです。
すごく良いバランスというか何というか。
ものすごくシンプルなロックというか、パンク寄りの曲ですが、「泣き」のエッセンスもあったりで、カッコいい曲です。
クソシンプルなサビもいいんですが、Aメロの「裸になればいいのか」の後のピアノが好きですね。最高にクールです。
このアルバムは全体を通して白井さんのピアノが滅茶苦茶いいですね。
この歌詞もなかなかエグイですね笑
とにかく、シンプルでカッコいい曲です。
まさにバームクーヘンを盛り上げる感じの曲ですね。
5. ハスキー(欲望という名の戦車)
そして続くはハスキーです。
この曲も罪と罰と同じくシングル曲で、このアルバムと同日発売された感じでしたが、この曲も本当に思い入れがあり、大好きな曲です。
初めて聞いた時、本当に衝撃でした。ヒロトは天才かと思いました。
ブルーハーツの最も好きだったポイントを更に昇華させて、ヒロトは本当にとんでもない曲を作ったと思いましたね。
とにかく美しいメロディと、美しいピアノ。
その2つを兼ね備えていて、僕の中でこの曲は「二匹のマシンガン」と通じる部分があるんですが、二匹のマシンガンより疾走感がありますね。
ベースラインも好きなので何度も弾いていましたが、この曲で一番好きなのはピアノですね。
特に間奏のピアノは鳥肌モノですし、何度もあのピアノを目を閉じて聞いたものでした。あの間奏こそ至高です。
このアルバムは全体的に白井さんのセンスが冴えわたっていますね。
15年くらい前にバンドをやっていた時、僕の作った曲の間奏でキーボードソロを入れることになって、「とりあえずハイロウズのハスキーみたいな感じにしてくれる?」とリクエストしたら、完璧なソロを入れられた記憶がありますね。そんな思い出も蘇ります。
ユニコーンの「スターな男」と匹敵するくらい、好きなピアノですね。
ライブでは引きが悪く、最後のマスタングのツアーのアンコールラストで初めて聞きました。
僕だけでなくファンはみんなそうだったと思いますが、脳内で白井さんのピアノが完全に蘇りましたね・・・
6. ダセー
そんな感じでベリーハードな1~5曲目が完了し、ちょっとリラックスです。
この曲「ダセー」もなかなか皮肉ったロックンロールですね。
この曲を聴いて当時埼玉県民は怒ってなかったのかが気になっていましたが・・・
7. 見送り
このアルバムで一番バラードっぽい曲ですかね。
この曲も白井さんのピアノが冴えわたっていて、重厚感で重いロックバラードが非常にスタイリッシュというか、オシャレに変わっています。
このアルバムの中では明らかに異色ですし、次作の「リラクシン」でハマる曲な感じもしますが、この曲があることでこのアルバムの抑えになっている感もあります。
まさに歌詞の通り「見送る」切ない曲ですね。
8. 死人
この曲も正統派ロックですね。
このアルバムには収録されていないのですが、この同時期に出た「即死」という名曲に通じるところがある曲というか、即死の兄弟分みたいな感じの曲ですね。
この曲は死人というタイトルdすが、死んだらダメだという話をしていて、「生きている方がいい」というポジティブな曲だったりします。
これはいじめとかに悩む少年少女にに聞いて欲しい曲かも知れませんね。
9. 彼女はパンク
この曲は鬼シンプルであり、wikiによるとヒロトが曲が足りなくて慌てて作ったとのことですが・・・笑
それでもこの曲は普通にカッコよく、周りでこの曲を好きなキッズは多かったですね。みんな「シーザパンク」とハモってくれていました笑
アルバムのコンセプトに合った曲であり、シンプルでありながらもメロディアスで、非常に盛り上がる曲にも関わらず、ライブでは一回もやらなかったとのことです笑
勿体ないですね!
10. ガンスリンガー
個人的にこの曲はこのアルバムで一番メロウな曲ですね。
上記でも触れてますが、歌詞カードでべっちゃんの写真の横にありつつ、結構ベースの見せ場が多いが故に、この曲は調先人のテーマソング的な感じがします。
とにかく、この曲は終始ベースラインが美しいんです。ベースソロは言うまでもないのですが、「置手紙も~」のベースラインが非常に秀逸。
メロディも切なく、ヒロトのヴォーカルもメロウであり、非常に泣ける、染みる曲ですね。
この曲があることで、このアルバムが非常に締まると言うか何というか、このアルバムに必要な曲ですね。
11. 21世紀のフランケンシュタイン
この曲もかなりポップな曲ですね。
左腕はスタン・ハンセンでしょうが、右足は誰でしょう?
アルバムがリリースされたのが99年なので、前年の1998年ワールドカップで活躍したFWと考えると、ロナウドですかね?シュケルではないでしょうし…
ベースはロックでありながら、ピアノも映える名曲ですね。
12. ガタガタゴー
これは1stの「バナナボート」振りに、久々にマーシーがメインで全部歌う曲ですね。
ブルーハーツ時代に比べると、マーシーが歌う曲はガッツリ減り、全部で4曲と認識していますが、僕はハイロウズでマーシーが歌う曲ではこの曲が一番好きですね。
終始ピアノとブルースハープが響きますが、音がぶつからずにいい感じのグルーヴを描いており、それに乘るマーシーのしゃがれ声!
そしてこの曲は歌詞がとにかく適当というかで、非常に秀逸です。
そして何と言ってもひどいのが下記です。
堂々と違法をリードするという笑
とにかく、そんな感じでマーシー節が響き渡る名曲ですね。
13. 笑ってあげる
この曲は最近公開された映画の主題歌になったらしいですね。
「見送り」と並ぶバラード調な曲で、ラスト前で余韻を残す感じの曲です。
マーシーのギターがいい感じにメロウで切ないのですが、コーラスも良いですね。
笑ってあげるというメロディに「ワッハッハッハ」と乗せる感じが非常に秀逸で、非常にメロウな感じでいいですね。
このアルバムを1つのライブだとしたら、この曲で終わる感じが良いですね。
14. バームクーヘン
そして、この曲はさしずめアンコールと言った感じでしょう。
ブルーハーツ時代から、アルバムタイトルの曲を作ったことは後にも先にもなく、クロマニヨンズでもそのルールは継続されていると思ってますが、唯一その「暗黙の掟」を破り、アルバムタイトルと同一の曲がリリースされたのがこの曲ですね。
この曲も僕らの中では、非常に愛された曲でした。
まず、ベースが簡単なんですね笑
当時僕の周りにいたベーシストたちはみんなこのベースラインを真似て引いてました。
そしてこの曲はシンプルなんですけど、歌詞が凄く良いんです。
この歌詞、本当に素晴らしいですよね。
この歌詞を読んで何も感じないやつとは、一緒に仕事したくないですね笑
それくらい、この歌詞の視点というか、発想というか、考え方は素晴らしいと思います。
空を飛べないけど、空に飛ばせることはできるという視点ですよね。
なるべくして、ブルーハーツとハイロウズ、クロマニヨンズ時代で唯一、アルバムタイトルで収録曲になっただけはありますね。
大ボス的な曲です笑
そしてバームクーヘンを語る上で、このライブは是非見て欲しいですね。
マジで全員鬼カッコいいです。
これも見なきゃダメですね。
「バームクーヘン」 ヒロト曲とマーシー曲
今作はこれまでと2曲増えて全14曲で、ヒロトとマーシーで7曲ずつ作ってます。
このアルバムは俄然ヒロト派です。いうまでも無いでしょう。
やはり罪と罰のパワー、二匹のマシンガンのメロウさ、ハスキーの美しさ…と言った感じでヒロト派でした!
「GO!ハイロウズ!GO」
そんな感じで、このバームクーヘンは永遠の名盤であり、メンバーも相当思い入れが強かったと思われます。
それが故に、ハイロウズのキャリアで唯一の「ライブミニアルバム」がリリースされました。
この曲は、もう冒頭でオーディエンスが「GO!ハイロウズ!GO!」と言っている、それだけで価値があります。
これまでいろんなバンドのライブに行きましたが、この「GO!ハイロウズ!GO!」ほど盛り上がるものは無かったですし、誇らしげに声を荒げられるものもなかった。
それだけ、この「GO!ハイロウズ!GO!」はカッコよかったんです。
そのあとにメンバーが登場して「ヒロト~!」と叫んでるのもいいですね。
5. パンダのこころ
そんなこのアライブミニアルバムで、唯一新曲としてドロップされたのがこの曲ですね。パンダのこころ。
とにかく「パン パン パンダ パンダ」と終始歌っている曲なんですけど、まさにバームクーヘン期に出ただけあって、最高に乗れる感じのGoodグルーヴな曲ですね。
まとめ
そんな感じで僕の中で永遠に99年にタイムスリップできる名盤、バームクーヘンだけに思わずエキサイトしてして長文になってしまいましたが、それくらい大好きな作品ですね。
次はリラクシン行きましょう!
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