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古草紙昭和百怪27 令和5年臘月「港町を吹き荒れた二百億の金塊旋風」(「話のタネ本」 昭和38年) / 令和6年初空月「それでもあなたは信じない」(「週刊情報」昭和39年)
「港町を吹き荒れた二百億の金塊旋風」(「話のタネ本」 昭和38年) つらつら惟(おもんみ)るに、埋蔵金に関はる話柄も昭和の遺物かと。嘗て喜多見にあった超常現象専門古書店でも、棚の隅に角田喜久雄や畠山清行の書冊が並んでおりました。そこで今回は、「日本海海戦のさなかに自沈したロシヤ特務艦の金塊をめぐって上を下への大騒ぎ」てふ惹句が躍る「ゴールドラッシュ物語 港町を吹き荒れた二百億の金塊旋風」(「話のタネ本」 昭和38年12月24日 100~1頁 挿絵3点 日本文芸社)。 以下、
¥100古草紙昭和百怪26 令和5年神嘗月「宇宙人が地球に舞い降りたという」(「週刊事件実話」 昭和37年)/ 露隠月「霊魂すすり泣く深山の怪」(「週刊事件実話」 昭和37年)
「宇宙人が地球に舞い降りたという」(「週刊事件実話」 昭和37年) 犯罪種は早くも払底しましたので、又も浮世離れした話柄に。子供向読物でも些か知られた高松三郎の筆になる宇宙人が地球に舞い降りたという!」(「週刊事件実話」 昭和37年6月5日 絵・秋吉巒 挿絵2点・写真1点 76~9頁 日本文芸社)には、「現代の謎」と「怪奇と謎の20分間読物」の傍題が二つも、加へて「空飛ぶ円盤に招かれて食事をした女性もいる!」と派手な柱さへ。但し黎明期の記事として穏当な、且つ読ませる内容かと
¥100古草紙昭和百怪24 令和5年風待月「失踪社長の奇怪な三日間」(「別冊週刊漫画」 昭和37年)/ 建申月「怪談特選」(「実話特報」 昭和33年)
「失踪社長の奇怪な三日間」(「別冊週刊漫画」 昭和37年) 今回も埋め草と思しい記事ながら、類例が少ない珍談を。「プッツリ消息を断ったポンプ屋の社長が、ひょっこり姿を現わした時には、千里眼ともいうべき霊能力を身につけていた。『オレはいったい、何をしてたんだろう?』自分自身にも記憶のない、奇怪な三日間……」と柱の惹句にある、「失踪社長の奇怪な三日間 突如会得した不思議な霊能力」(「別冊週刊漫画」 昭和37年3月15日 39~41頁 写真2点 芳文社)。
¥100古草紙昭和百怪22 令和5年初花月「熊野の秘境にひそむ鬼族の子孫」(「週刊事件実話」 昭和36年)/ 雛月「古文書に取組む武内宿禰67代目の子孫」(「週刊実話特報」 昭和36年)
「熊野の秘境にひそむ鬼族の子孫」(「週刊事件実話」 昭和36年) 前々月の記事と同号ながら、異色ゆゑ紹介を。「特別読物 熊野の秘境にひそむ鬼族の子孫」(「週刊事件実話」 昭和36年8月1日 116~122頁 写真10点 地図1点 日本文芸社)は、傍題が「闇夜、燐光もえる墓場! 夏なお寒い鬼気迫る魔境探検!」。惹句に「伝説はウソではなかった! 前人未踏この深山幽谷にいまも棲息していた、鬼族の後裔! これは生々しい決死の現地ルポだ。」とある通り、興味深い取材報告かと。 以下
¥100古草紙昭和百怪21 令和4年極月「深夜 生木に打つ呪いの祈り釘」(「週刊事件実話」 昭和36年) / 令和5年睦月「月からの暗号が解読された」(「週刊読売」 昭和37年)
「深夜 生木に打つ呪いの祈り釘」(「週刊事件実話」 昭和36年) 副題なのか「身の毛もよだつ生きている伝説!」と大書、「憎い相手を呪い祈り殺す! 陰湿なそしてあまりにも異妖奇怪な人間の執念! ひと口に昔のことと片づけてしまえない、鬼気せまるようなこの事実が…」との惹句に食傷しながらも、通り一遍の怪談が飽きられつつあったてふ往時にあっても尚、呪詛ばかりは廃れる気配が無かったとは意外。「深夜! 生木に打つ呪いの祈り釘」(「週刊事件実話」 昭和36年8月1日 100~5頁 写真
¥100古草紙昭和百怪20 令和4年初霜月「生きている『海竜』」(「知性」 年度不明) / 神楽月「あなたは殺される相がある」(「ヤングレディ」 昭和42年)
「生きている『海竜』」(「知性」 年度不明 10月) 大宅文庫目録「奇生物一般」にも昭和40年代半ば以前は僅か数点ゆゑ、今回また落穗拾ひ、「海の神秘 生きている怪竜」(中山光義 「知性」 年度不明 10月 130~9頁 挿絵2点・柱に1点 知性社 四六判)を。尤も、恐らく「オール讀物」掲載と思はれる黒沼健「古生代の海蛇は生きている!?」が「秘境物語」(新潮社 昭和32年)に収録済なのと同様、本稿も単行本に収まった可能は否めません。 以下、約3000字 四百字詰約8枚 図版2
¥100古草紙昭和百怪19 令和4年月見月「背すじがゾーッとするぜ」(「週刊実話読物」昭和36年) / 寝覚月「祟りと呪い この怪異集」(「週刊事件実話」昭和36年)
「背すじがゾーッとするぜ」(「週刊実話読物」昭和36年) 「『今頃怪談なんて……』と、一笑に伏しても結構だし、『なるほど、怪談とも言えるね』と少しばかり背筋をゾクゾクさせてもいいし。とに角、以下、三篇のミステリーは、人口一千万を突破しようと云う、世界第一の大都会"東京"の繁華街に起った実話である。」とは柱の文句。昭和半ば、怪異談には昔ながらの銷夏法とも時代遅れとも、両面の評価があった様です。 以下、約3000字 四百字詰約8枚 図版2点
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