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#作曲
ボクは愛に殺される①
【プロローグ】
……暗く、ただ暗く、虚しい時間が流れている。
どこだろう、ここは。
何もなくて、何も見えなくて、それに…
動けない。
圧迫感? まるで闇に一人、ぎゅうぎゅう詰めにされてるような。
怖い。恐い、こわいコワイこわい………
独りでここにずっといるなんて。苦しい。
──そっか。
これはきっと。
自分で自分の命を絶った『罰』なんだ──
ボクは愛に殺される④
【三章】
学校には、毎月企業から『学生の自由な発想で曲を作ってほしい』と、作曲の案件が舞い込んでくる。
うちの学校では、その案件に対し、作曲専攻の先輩から同級生、後輩と世代関係なしに10人程度のチームを自由に結成し、
学校内全ての作曲チームと作曲で戦う、コンペ形式で取り組んでいた。
まるで曲作りのバトロワみたいだ。
実力主義の場面では、ボクは珍しく評価され、
先輩たちにも編曲や発想力の面で頼
ボクは愛に殺される⑤
【四章】
『すごく難しいものと戦うんだね、頑張って!』
月の励ましに癒され、鼓舞され、ボクはPC上で音を紡ぐ。
行き詰まっても親友や月がボクを応援してくれる。
そんな心の支えは、ボクの作業スピードと集中力に拍車をかけた。
3時間後。デモソングは完成し、ボクの生演奏でメロディを録音した。
理論を駆使し、理論を詰め込み、理論で心を揺さぶろうと考えに考え抜いたこの曲は、
確かにシンプルながら聴き心地
ボクは愛に殺される⑥
【五章】
『いい音が録れたね!楽しかったみたいでよかった。』
その音に月も喜んでくれたし、チームのみんなも絶賛してくれた。
ボクも親友も録り音に満足している。
残りのお菓子を開封しながら、曲をさらに高める工夫を考える。
そうだ。心を揺さぶる音楽。
ボクが表現したい音を一番わかりやすく聴衆に届ける手段─つまり、ボクの生録音で録ろう、と発案した。
のちに発案はチーム内で大好評を博し、そのままコ