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TEDxTalks「人生の価値は、何を得るかではなく、何を残すかにある」

ボーダレス・ジャパン代表 田口一成の「TEDx Talks」スピーチ動画。公開以来100万回以上再生され、今でも多くの方にご覧いただいています。

働き方のヒントが詰まっていると言われるこの動画。どんな内容なのか、文字起こしでもご紹介します

皆さんは、“何のために”働いていますか?今日は、そんなことについて話をしたいと思います。

皆さんにとっての“働く意味”って何でしょうか?

学校を卒業して、“これからは自立しなきゃ”と会社に入って、“早く仕事を覚えよう”と朝から晩までガムシャラに働いて、そのうちいろんな仕事ができるようになって、気付けば部下がいて。“人間としても成長しよう”と、今まで一生懸命努力してきた。

でも、ふと「俺って、何のために働いてんだろう?」そんな風に思ったことありませんか?ある調査によると、72%の人が「働く意味を見失った」っていう経験があるそうです。

そして、多くの人が口を揃えて言うそうです。

「お金のためだけに働くのは嫌だ。」

「本当はもっと、社会に貢献してると、実感できる仕事がしたい。」と。

でも、現実問題、やっぱり生活は大切。だから、給料は減らせない。

社会貢献は老後にでもできるし、稼いだお金で寄付することだってできる。だから、今は一生懸命稼ぐことの方がやっぱり大切。

そう分かっちゃいるけど、なんだかモヤモヤしたものが心のどこかにずっと残っちゃってる。そんなことありませんか?

ここでちょっと、皆さんに質問です。こんな問題を目の前にしたら、皆さんならどうしますか?

「日本に来た外国人が、部屋を借してもらえない」

ゴミ出しを守らない、うるさい、保証人が立てられない、いろんな理由をつけて外国人の入居差別が起こっていました。

さて、あなたならどうしますか?一緒に不動産屋を回って部屋探しを手伝ってあげますか?人権侵害だと訴えますか?せっかく日本に来てくれた外国人たちに部屋を貸さない。もう最悪ですよね。

僕は頭に来て、「だったら、僕が家賃保証するから、その上で僕が彼らに貸すんだったらいいですよね?」と大家さんたちと話をしました。

そして、留学生たちに話を聞いていくと、彼らはこんなことを言いました。「日本人の友達が欲しい」と。確かにせっかく日本に来たのに、アパートで独り暮らしは寂しいですよね。

そこで、僕らは日本人と外国人が半分半分で一緒に暮らすシェアハウスをつくることにしました。どんな国籍でももちろんOK。保証人なんていりません。

この事業を始めた8年前はシェアハウスって言葉すら理解してもらえませんでしたが、今では東京都内に72ハウス、大阪や京都、そして韓国・台湾も合わせて約120ハウスを運営するようになりました。

今まで47カ国4000人以上がこのシェアハウスで同じ釜の飯を食い、一生の友人に出合い、単なる住居問題を超えた価値を生み出す存在になりました。

次にこんな問題に出会いました。

「ミャンマーの農家さんたちが生活に苦しんでいる。」

ここは、リンレイ村といって250世帯ほどが暮らすミャンマーの小さな村で、ほとんどの農家が葉巻タバコの栽培をしていました。

葉巻タバコは、葉っぱに穴があいちゃうと、商品価値が落ちちゃうんで、虫がつかないようにみんな農薬を大量にまくんですね。農薬による健康被害もたくさんおきています。

農薬や肥料といった栽培コストはどんどん上がってくのに、買取価格は下がる一方。仲買人からの借金はかさみ、生活は苦しく、“15歳の息子はタイに出稼ぎに行ったまま連絡がとれない。”そんな人たちもたくさんいました。

村長はじめ、この村の人たちはなんとか今の状況から抜け出したいと強く望んでいました。でも、どうしたら良いか分からない、と。みなさんならどうしますか?

葉巻タバコの不買運動、やりますか?それではリンレイ村の生活は変わらんですよね。むしろ仕事がなくなって、もっと生活が苦しくなってしまうかも知れない。

さて、どうしましょう。

僕らは葉巻タバコの代わりに、ハーブのオーガニック栽培を提案しました。

仲買人たちとも話をして、僕らが借金の立替え払いをする代わりに、この村から手をひいてもらうことにしました。村の一角に土地を借りてテスト栽培をして、どんな品種のハーブがどのくらい収穫できるかを確認しました。

そして、有機栽培の専門家を採用して、村の人たちに一から有機栽培を教えました。他にも、井戸を掘ったり、収穫したハーブをドライしたりカットしたりする加工工場もつくりました。

でも問題なのはここからです。

農家さんたちに、ハーブの買取保証をするんですが、そのハーブをどうやって売るか?安売りはできません。農家さんたちに払うお金が安くなっちゃあ意味ないですから。

そんなことより問題なのはハーブティーなんて、日本人は誰も飲んでいないってことです。みなさんだって、コーヒーやお茶は毎日飲んでるけど、ハーブティーなんかあまり飲みませんよね?簡単にいうとマーケットが無い。困ったぞと。

結論から言うと、このハーブ事業は2014年で年商8.4億円になりました。この5年間で88万人のお客さんに使ってもらい、今では年間30トン、リンレイ村160世帯分相当のハーブを輸入するまでになりました。

どうやってやったのか?

僕たちは、妊娠中と授乳中専用のハーブティーをつくることにしました。この約2年間は、みんなカフェインを控えていて、お茶やコーヒーを飲まなくなる。そして、母乳不足などこの時期ならではの悩みもありました。

そこで、日本の助産師さんとイギリスのメディカルハーバリストにお願いして、そんなママたちのための商品を共同開発しました。

こうしてできたハーブティーは、妊婦さんや産後ママの間で口コミでどんどん広がっていき、今では全国の産婦人科病院の15%でこのハーブティーは配られています。昨年には、楽天のショップオブザイヤーにも選ばれました。

さて、最後の質問です。

アジア最貧国の一つ、バングラデシュ。本当に貧しい人がたくさんいます。彼らの力になりたい。

でも、日本の約4割ほどしかない国土に、1億5,000万人が暮らすこの国は、先ほどのミャンマーの時とは違い、今度は十分な土地がない。あらゆるところでお米が作られていて、米の生産量は世界4位です。それでもまだお米が足りなくて輸入している。

そんな中、水田をつぶしてハーブを作りましょう、とはなかなか言えないですね。今後は、土地はない。さて、あなたならどうしますか?

僕らが注目したのは、「牛」です。イスラム教では、年に2回『イード』と呼ばれる儀牛祭が行われて、裕福な家庭では一家に一頭牛を捧げて、日頃肉を食べられないような貧しい人たちにも分け与えるんですが、1億5,000万人いる国民の約9割がイスラム教徒のバングラデシュでは大勢の牛が集まります。

もちろん食される訳ですが、そのあとに残る大量の牛皮。ここに注目しました。

そこで僕らは、バングラデシュ国内にあるこの資源“牛革”を使った製品工場を創って、貧しい人たちの雇用を創ることにしました。日本の革職人さんにお願いして、技術を教えてもらって始めた自社工場は、2年間で300名を超える人たちを雇用できるようになりました。

今ご紹介したのは全て、僕らの会社でやっている事業の一部です。

日本、韓国、台湾、ミャンマー、バングラデシュ。世界5カ国7拠点*、約500人がこの会社で働いています。ボランティアじゃありません。みんな仕事として、この社会問題に取り組んでいます。

*2016年1月時点

だから「稼ぐこと」と「社会貢献」はちゃんと両立できるんじゃないかなって思うんです。

そして、今話を聞いていただいて分かったように、何も特別なことやってるわけじゃない。「問題を見つけて解決する」というどのマーケターも普通にやっていることを社会問題に対してやっているだけ。

だから、正直に言いますけど、このTEDxの登壇。僕はずっと断っていたんです。だって、特別なことは何もしてないし、まだ何も成し遂げていない分際が人前で偉そうに話をするなんて恥ずかしいじゃないですか。だから、そんな恥サラシ嫌だ、と。

でも、スタッフの方たちが、「どうしても出ろ」って言うんです。「みんな“何のために働くのか”とモヤモヤしてるから、あんたの話を聞かせたい」と。

でも、そんなこと言ったら、僕だってずっとモヤモヤしてんですよね。

でも、モヤモヤしてるってことは、そこから抜け出したい、って証拠。何かやりたいことがある、ってこと。それってすごく良いことですよね。

だからこそ、みんなそのモヤモヤをもっと大切にした方がいいと思うんです。そして、そこに向かってちゃんと一歩踏み出さないといけない。

でも、そうした瞬間、多くの人が固まっちゃう。

・お金をとるか
・社会貢献をとるか
・やりたいことをとるか
・家族をとるか

何を選択するかで悩み出す。そして、何も選択せずに終わる。そんな人をたくさん見てきました。

でも、全部やったらいいじゃないですか?どれかを選んで、どれかを捨てなければいけないとか、誰がそんなこと言ったんですか?

僕は全部できると思っています。だって、全部やりたいじゃないですか。

こんなこというと精神論みたいですが、これは精神論ではなくて事実なんです。全部やりたい、という「自分の事実」。ここから目をそらしちゃいけない。

あとは、どうやったらできるかだけを考えるんです。

すぐに『難しい』と言うのは無しにしましょう。「一般的には」とか「普通は」とか言うのももう辞めましょう。それは全部、やらないための言い訳探しに過ぎないからです。

変な『枠』にあてはめて考えるのも辞めましょう。

「ビジネスは利潤を追求するものだ」
「社会貢献は儲からない」
「仕事をとるか、家族をとるか」

でも、それって本当ですか?

さっき話したように、ビジネスと社会貢献の両立だってできるんです。僕バリバリ働いてますけど、朝も夜も家族と一緒にご飯食べますよ。家族第一だけど、仕事も第一ですよ。

自分の人生の話なんですから、どっかの評論家みたいにつまんない「枠」に当てはめて話をそらすのはもうやめましょう。自分が本当にやりたいことに向かって一歩踏み出しましょう。

でも、そうは言っても、やっぱり現実はそんな甘くないって、と思うかも知れません。そりゃ、あんたはできるかも知れんけど、やっぱり理想論やね、と。

確かに、簡単な話ではないのかも知れません。でも、ここにいる誰も否定できない事実が一つだけあります。

それは、僕らは毎日「刻一刻と“死”に向かって近づいて行っている」という事実。この今、僕が話をしている10分という時間は、間違いなく死に向って近づいた10分間なんです。

これだけは誰も否定できない事実なんです。

だから、僕は心の中のモヤモヤをもっと大切にした方が良いと本当に思うんです。モヤモヤを残したまま、後悔しながら死ぬのは嫌じゃないですか。

僕は、「田口が生まれて来たから世の中少し良くなったね」って言われて死にたいと思っています。だから、こんなもんじゃ終われない。たくさんの人を助けたい、たくさんの社会問題に貢献したいと思っています。

そのためには、チマチマやってちゃいけない。最低でも1兆円くらいの規模でやらないとダメだと本気で思っています。

だから、どうしたらそれができるか、めっちゃモヤモヤしてます。僕という「枠組み」を超えないとこのままのスピードじゃダメだと思いました。

だから、会社のあり方も変えました。今ではたくさんの社長がこの会社にはいます。

みんなが、「自分はこんな社会問題を解決したい」というそれぞれの夢を持ってきて、この会社を利用してそれを実現する、そんな“社会起業家のプラットフォーム”のような会社に変えました。だから僕はもう、今はたくさんいる社長の一人になりました。

そうやって今、僕らは少しずつ大きなインパクトを生み出し始めました。

“世界の困っている人を助けたい”という私の描いたビジョンは、“私”という枠組みを外した瞬間、いっきに現実味を帯び始めました。カタチなんかどうだっていいんです。

だから、皆さんも変な枠に当てはめて、やらない言い訳をするのはもう辞めましょう。

「難しい」と「できない」は違うんです。難しくても、できなくは無いんです。だから、もっと自分の中にあるモヤモヤを大切にしましょう。

そして、『選択』に迷った時には、良かったらこの言葉を思い出してみてください。

「人生の価値は、何を得るかではなく、何を残すかにある。」これは僕のモットーです。

何でもかんでも得ようとするから選択がややこしくなるんだと思います。でも、人生は何を得るかではないと思います。どうせ死んだら何も持って行けないんです。

でも残してはいける。だから、何を残すかが、人生の本当の価値だと思います。そう考えたら、もっとシンプルに一歩を踏み出せるんじゃないかなと思います。

お互い、自分が今持っているモヤモヤに向かって、これからも頑張っていきましょう。そして、僕ら一人一人が、『素敵な何か』を一つずつ残していけるように、頑張りましょう。

みんなが一つずつ、何かを残していければ、この社会はどんどんよくなっていくと思います。みんなでそんな社会をつくりましょう。

転載元:https://www.borderless-japan.com/academy/entrepreneur/13904/

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