異世界に転生したところで俺みたいな奴がヒーローになれる筈もなかった
俺は部活の帰りだった。
「あー疲れたなあ。えっ!?」
キキーッ!ドカン!
俺は暴走トラックに轢かれてしまった。俺の意識は薄れていった・・・
気がつくと俺は白い空間にいた。俺の目の前には女神の様な人がいた。
「俺はどうなったんだ?あなたは誰ですか」
「私は運命の女神。あなたには申し訳ないことをしました」
「どういうことですか」
「私の手違いで、まだ死ぬ運命ではなかったあなたがトラックに轢かれて死ぬことになってしまったのです」
「そんな!なんてことを」
女神がすまなそうにしているので今一つ怒れなかった。
「お詫びにあなたに新しい運命を与えます。命を蘇らせるのは不可能ですが、お望みの条件で新しい人生を送ってください」
「それなら剣と魔法のファンタジー世界に生まれ変わらせてください。『魔戦ウォリアーカイザー』の変身ブレスと、『たしか魔術の古文書に』の……」
「お前、カイ信か」
「えっ」
女神の態度が変わった。
「カイザーは糞だ」
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