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歴史を変えた薬の歴史

医療、薬の歴史に関する本は好きでよく読むが、本書も非常にエキサイティングだった。

タイトルは「10の薬」とあるが、実際にはもっとたくさんの薬が登場する。著者も冒頭に「数にはこだわらないでほしい。そこは重要な点ではない」と書いている。

10章から成り、アヘンやモルヒネなどのオピオイド、ワクチン、抱水クロラール、ヘロイン等の麻薬、抗生剤、抗精神病薬、バイアグラ、そしてまたオピオイド、スタチン、モノクローナル抗体について、発見から開発、商業化までの歴史がドラマチックに描いてある。どういうわけか麻薬に関しての扱いが多い気がする。

ワクチンの章では、免疫学の父と言われるエドワード・ジェンナーについて気になる箇所がある。それはジェンナーが8歳のときに人痘接種を受けたというもので、そのときジェンナーは孤児であったと書いてある。日本語・英語のWikipediaで確認したがそういう記述はなく、著者がどこからこの部分を持ってきたのか不明である。

全体的には非常に面白いのだが、『新薬の狩人たち』という名著と比べると、ちょっと見劣りする気がした。


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