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100円本の売れ残りから得た、大きな気づき。「I KNOW YOU 脳」

昨日に引き続き、処分を考えている本を読んでいます。本日手にとったのは養老孟子先生の「I KNOW YOU 脳」という本です。この本も100円でも売れなかった本。

この本は養老孟子先生が学術的内容をエッセイ形式でわかりやすく説明する本です。この中で養老孟子先生は次々と問題提起を行います。

「幽霊とは人間の発明である」
「地球が丸いと考えねばいけない状況に私は遭遇したことはない」
「自然の中で生きていれば儒教なんて関係ない」
「結婚は脳の論理である」
「歳をとって脳が衰えなかったら、逆に脳卒中の可能性は増す」
「血圧が高い人は異常だが、入試の点数が高いのも危険だと思う」

こんな感じです。この中で店主は「地球が丸いと考えねばいけない状況に渡しは遭遇したことはない」と先生が仰ったことが気になりました。

これは確かにその通り。私たちが生活の中で地球の形を意識することはありません。もし、いちいち地球の丸さを言葉にする人がいたら「ウザイ」と感じてしまうことでしょう。

これを少し難しく語れば、「正しいと思われる知識を元に、論理的に正しい思考をすることが、人間の機能として最適ではない」ということかもしれません。

これは、ロジックや哲学的思考を全く理解できない女子高生が独自のコミュニケーションを編み出し、みんなで仲良く楽しく遊んでいるところを想像すれば一目瞭然です。正しい思考は生き辛さの誘い水となるのかもしれません。

そう考えると、人生において「生き辛さを感じる人々」への答えがわかった気がします。一生懸命に考えすぎているのです。そういえば、綿矢りささんの小説「蹴りたい背中」の主人公も色々考えていましたね。あの話も友人の背中を蹴るという意味のない行為からドラマが展開していった。意味が少しわかってきたぞ。

つまり、考えることと、現在を楽しむことは、脳の使い方を変えなければいけない。それが切り替えと呼ばれる行為かもしれません。

就職できず、独身でおじさんになってしまった自分はある意味「売れ残り」であり「処分品」かもしれません。そんな自分が100円でも売れなくて処分を考えている本を読み、こうやって気づきを得る。なんとも不思議な気がします。

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