ブックスミタカ(旧BOOKS三鷹)の店主が書く個人的なブログ

17年営業を続けていた三鷹駅から西武柳沢駅前に引っ越してきた古本屋です。

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17年営業を続けていた三鷹駅から西武柳沢駅前に引っ越してきた古本屋です。

最近の記事

本を売ることは難しくないけど、本を売り続けることは難しい

今朝の気温は高くなかったのですが、湿度が高い…と思っていたら、午後から急速に気温が上がり、本当に過ごし辛い、蒸し暑い天気となりました。こんな日にお客さんは来ないだろうと思っていましたが、意外なことに沢山のお客さんいご利用いただけました。売れたのは100円ばかりでしたが、それでも売上ゼロよりは全然いい。 最近、「本を売ることは難しくないけど、本を売り続けることは難しい」と、視点に変化がありました。 それは具体的にどういうことかというと、本を販売しようと思ったら、ネットを利用

    • 「なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか」

      店主は毎日、NHK朝ドラの「虎と翼」をネット(NHKプラス)で視聴しています。その中のある回で原爆裁判が取り上げられ、それを観ていてアメリカ軍の原爆投下について自分の知識不足を感じました。そんな時、ちょうど古本屋で「なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか」という本を買取りましたので、さっそく読んでみることにしました。 この本の著者は元NHKの記者で、アメリカの政治家や専門家へのインタビュー経験を持つ稀有な立場にいます。そして、取材を通じて集めた情報と自身の考察を交えな

      • 東京3位の理想と現実

        「想像していた東京都3位とは違う!」と言ってその生徒は頭を抱えました。 実はこの3連休、店主は新人テニス選手権大会(中体連主催)の引率で出かけていました。この大会は新人戦と呼ばれ、3年生が夏に引退した後、1年生と2年生のみが出場できる大会です。 その大会で、店主が指導する学校(東京女子学院)がダブルスで勝ち進み、ベスト4ペア中3ペアを占めました。残りの1ペアは第1シードの明星中学で、そのペアの片方はシングルスでは全国に出場している強い選手です。 そして、その第1シードと

        • ブログが書けない時は走りだす

          連日、暑さが止まりません。暑さだけでなく、湿度も高い。そんな日に、突然お腹を下しました。朝食で食べた魚肉ソーセージが当たったのだと思われます。 店主は毎日ブログを書きたいと考えています。お腹を下した日はしょうがないとしても、できるだけネタを探して古本に関するブログを書きたい。 しかし、何も書くものが頭に浮かんでこない日が存在します。そんな時にどうするか? 最近、ブログネタを見つける新しい方法を編み出しました。それは、ゆっくり30分ほど走ることです。店主は古本屋を閉店後、

        マガジン

        • 完全解読
          4本
        • 吾輩は古本屋である
          3本

        記事

          「一汁一菜でよいという提案」

          本日も暑さにやられました。34℃まで気温が上昇した9月の西武柳沢の古本屋に、お客さんはなかなか現れませんでした。そして、店主は夕方から部活指導にでかけ、水を1リットル飲むこととなりました。夜になってから暑さは落ち着きましたが、本当に困ります。 そして今日、買取した「一汁一菜でよいという提案」という本を開いたところ、なんとなく引き込まれ、そのまま読み進めてしまいました。 この本は、料理研究家・土井善晴氏が提案する、食事は具沢山のお味噌汁とごはんと漬物だけでいいという思想を書

          少女作品をどうするか問題

          暑さが戻ってきた9月初旬、古本屋は寂しい売上となりました。とはいえ、昨日に引き続き本やDVDをお売りくださるお客さんにご利用いただけたので、買取だけは好調を維持しています。店主としては、それだけで十分にありがたいと感じています。 ただ、昨日買取させていただいた少女コミックやジュニア文庫などを品出ししていて、少々考えるところがありました。 本に鑢をかけ、カバーを拭き、透明なシートで包んでセット本をつくる作業を行なったのですが、それでも販売価格は1冊50円程度。つまり、10冊

          古本屋を無人化して考えたら

          今日、古本屋を3時間ほど無人化しました。お客さんが来たらどうしようと心配するところではありますが、少しでも前向きに行動すべく、苦渋の決断を下しました。もし、お店に来てガッカリされている方がいらっしゃったら、本当に申し訳ございません。 こういった、お店の都合で営業時間を変更することは、もちろんあまりいいことではありません。信用問題に関わります。 しかしながら、チェーン店ではない古本屋だからできる自由な働きかたであり、その痛みや失った信用を被る覚悟があるのであれば、営業時間を

          SNSで偏った発信をしている人に小説をすすめたい

          SNSを眺めていると、偏った意見を発する人を見かけることがあります。その中でも、悪意はないのだけど、自分の狭い世界観の中での正義を振りかざし、他人を傷つけてしまうことを厭わない人を見かけると、闇が深いなぁと感じます。 そんなことを考えた後に、たまたま朝井リョウ著の「正欲」を棚に差そうと手に取ったのですが、小説の後にある解説を未読だったということに気がつきました。そこで少しだけ時間を割いて後書きを読んでいると、正しさを振りかざし、他人を傷つける登場人物についての記述がありまし

          SNSで偏った発信をしている人に小説をすすめたい

          戻ってきた古本屋の日常

          本日も古本屋はそこそこの数のお客さんにご利用いただけました。本当に9月に入ってから何か起きたかのように客足が戻ってきました。 その要因は、なんといっても夏の狂ったような暑さが一段落したことでしょう。さらに、気温が上がったとしても、湿度は連動して動いていない。そのおかげで、かなり過ごしやすくなったと思います。 ただ、お客さんが戻ってきたといっても、そのほとんどは、シニアの方です。金額的には100円本を数冊か、300円程度の本を数冊購入してくださる程度なので、大きな売り上げ回

          効率も大事だけど、努力も大事

          今日は夕方から部活の指導をしてきました(私立の方)。お昼まで雨が降っていたので、テニスコート(ハードコート)は水浸し。そこで、生徒と先生と手分けして水捌け作業を行い、なんとか練習をスタートさせることができました。 しかし、コート整備を真剣に取り組んだ生徒たちにも関わらず、練習へのモチベーションはなかなか上がりませんでした。優しくていい子たちですなのですが、自分のための練習に貪欲になることはありません。疲れると足を止めてしまい、すぐに休憩を取りたがったり、練習を早く終えて帰り

          古本屋のSNSで本を紹介する裏側

          9月に入ってから、SNSで本の紹介を続けています。その反響があるかどうかは微妙なところですが、お客さんも来てくれているので多少の手ごたえを感じます。ただし、紹介した本が売れないという事実は微妙ですが… では、なぜ9月に入ってからSNSに力を入れ始めたのかというと、8月中はほとんど手つかずだった本棚の入れ替えに、手をつけたからです。「え?本の入れ替えが何でSNSの発信に繋がっているの?」と考えた方、その答えはこのブログの後半に続きます。 古本屋は、新しく買取した本を店頭に並

          「生きる技法」で生き返る

          昨晩、台風の残り雨が降り続く中、古本屋で店主はひとりでひっそりと本の分別作業をしていました。具体的には、売れ残った本を開いて少し読んでみて、その本を残すか処分するかを判断していたのです。 そんな作業中に、久々に磁力が高い本に出会いました。「これは興味深い!」と思い、そのまま一気に読み切ってしまいました。その本は、「生きる技法」という地味な装丁の本でした。 この本は、東大教授というエリートが「生きるためにはどうしたらいいのか」という私たち庶民の悩みを、自己の辛い体験に照らし

          ブログの人格と、古本接客の人格

          今日は台風が一段落。久しぶりにお客さんをお迎えすることができました。しかし、ホッとしたのも束の間。レジを打っているときに、お客さんより「ブログ読んでます」という一番店主が恐れる言葉が聞こえました。恥ずかしい! そして、そのお客さんが語るには、どうやらブログから受ける印象と、実際に接客しているときの雰囲気が違うそうです。このブログからは、愛想の悪い「人嫌い」のイメージを感じるのだとか。(確かに本当の自分はそんな感じ) そのお話を聞いて、その時は「なるほど」と思い、ブログとリ

          BOOKOFFを定点観測

          台風が九州に上陸し、関東も荒れ模様の予報でした。駅から流れ出る人並みは、誰もが帰宅を急いでいるようで、足早に古本屋の前を通り過ぎて行きました。 そこで店主は早々と店を閉め、閉店後に一番近くのBOOKOFFに行ってきました。すると、レイアウトが変更されており、そこから何か意図的なものを感じました。 まず最初に気がついたのは、以前はカテゴリー別に並んでいた雑学文庫や新書が、全て出版社別の並びに変更されていました。カテゴリー別に本を並べても、売上は上がらなかったということだと思

          若々しく過ごすためにもファイトする

          今日は朝のテニス指導が中止となったため、早朝から古本屋に籠り本を読んだり、テニスの全米オープンをネットで観戦して過ごしました。 その全米オープンの1回戦で、身長170センチの西岡良仁が素晴らしいファイトを見せ、マッチポイントを握るまで行ったのですが、最終的にはファイナルセットで痙攣をおこし、立てなくなってしまい、そのまま呼吸困難になって試合は棄権となりました。 西岡選手が負けてしまったのは残念でしたが、素晴らしいファイトを見せてもらいました。感銘を受けました。小柄な日本人

          戦争に関する本が売れる8月

          今日は昨日とは打って変わってほどほど本が売れました。ただ、その売上のほとんどは100円本でしたので、売上の総額は伸びません。いつも同じようなことを書いているような気がします。 そして最近、戦争関係の本が売れています。おそらく8月の終戦記念日に戦争について考える機会があったのだと思われます。本日売れた本の中で記憶に残っているのは「『南京事件』を調査せよ」という本でした。少し古い本ですが、良い本です。 この本の著者は「桶川ストーカー殺人事件」で警察の調査を出し抜いて、犯人グル