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文章作成の名著と呼ばれる「伝わる・揺さぶる! 文章を書く」

田無神社の前を通ると、今日も人だかり。ああ、そういえば今日は駄菓子の日だから「子ども縁日」を開催するってヤギサワベースの中村さんが言っていたような。晴れてよかったですね。

というわけで、今日は真面目に新書の入れ替えをしていると、「伝わる・揺さぶる! 文章を書く」という本を発見しました。色々なところで紹介されているこちらの本、店主はまだ読んでおりませんでした。うん、まぁ今日は店ヒマだし(いつも)読んでみっか!

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読み始めて、すぐに直感的に感じました。これは面白い!勉強になる!文章法の本は散々読んできたので、まったく初めて読む内容ではないのですが、この著者の論理的な文章に好感をもちました。

そして文章を書くということは「劇場」を知ることだと思いました。例えるなら、自分がどんな劇場で、どんな観客を相手に何をしようとしているのかを確認することです。フランスの芸術劇場と、ニューヨークのブロードウェイは違うように、なんばグランド花月と東京芸術劇場は違うでしょう。哲学的に考えれば、先に自分がおり、次に舞台と観客があるはずですが、文章を書くということになると、先に舞台と観客がおり、その後に自分がくる。この順番を間違えるとこじらせてしまう、ということだと思いました。

最初の引用はこちら。「苦しくてもとにかく書け」という根性的な指導をしていてはダメだという言葉の後に続きます。

ところが、文章の「ゴール」、つまり、その文章は、最終的にだれに読まれ、どうなることを見据えているのか、に着目すると、驚くほど、いろいろなことが見えてきた。P29

そして、いい文章を書くには、自分の「意見」がなければいけない。そのためには、いい「問い」がなければいけない。そういったものを考えることこそが大事なんだと著者は力説します。

「いいかダメか?」の二元論には、いいかダメかの答えしかない。「だれか?」という問いかけだと、答えは人物しかない。意見と問いは呼応している。いい意見を出す人は、「問い」も深い。「問い」が浅薄だと、意見もそれなりになってしまう。P42

そして更に、文章を書く人は独特の視点から語る「論点」を意識することが大切だと著者は書いています。「日本人について」は論点とはなりえませんが、「日本人の特徴と言われる集団主義は、崩れかけてきているのだろうか?」と書けば、これは論点になるという解釈です。

とはいえ、多くの人がそんなに毎回考えて文章を書くのは難しい。だからこそ、著者は以下のような気遣いの文章を練り込みます。

「論点」からでも、「意見」からでも、どちらの方法でもかまわない。多くの人は、この中間の方法、つまり書いているうちに次第に意見がハッキリし、そのことにより、論点の角度も絞られる、というように、意見と論点を互いに調整しつつ文章を書いている。P70

そして、メールの返信も考えて書けと教示する。いい返信を書くためには、相手の文章を2回読めと紹介しています。1度目はザっと読み、2度目は以下のように精査して読む。そうしないと、いい文章は書けないといっています。

・相手の主張が一番強く出ているところ(意見)
・相手は何を根拠にしているか(論拠)
・相手の問題意識はどこに向かっているか(論点)
・相手がくり返し言っている言葉(キーワード)
相手の文で、「しかし」など打ち消しの接続詞のあとは、そこまでを否定して何かを言うわけだから、主張が強く出ていることが多いので要注意。
つまり」の後も、そこまでの内容をまとめた内容なので注意をしよう。P76

なるほど。なるほど。

とはいえ、ここに引用したのは当然ながら全体の1割以下でしかありません。もっともっと沢山のチェックポイントがこの本には存在します。だったら、こんなにも毎回たくさん考えないと、文章って書いちゃいけないものなのでしょうか?店主が毎日書いてるブログなんて、何一つ踏襲しておりません。漠然とした疑問が浮かびます。

そこで思いました。しっかりと考えて文章を書く。これって結局、「頭の回転の早さ」が必要なのじゃないかと思いました。そして、この本で紹介される思考のタスクを高速で処理すること。それこそが著者が求めることであり、正しい文章法であり、頭がよくなるということなのでしょう。

でも、当然ながら凡人にはそれができません。1つひとつ考えすぎると逆に全体が見えなくなってしまう。すると、疲れて眠くなってしまいます。そうなると、結局、途中でぶっちぎって書いてしまうという悪循環。

そう考えれば、店主のような人間にとっては、この本の内容を、もっとシンプルに自分の中に落とし込まなければと思いました。100くらいの内容を20に圧縮すれば、覚えることはできそうです。ああ、でも、これこそが自分で考えるってことなのかもしれませんね。

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