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AIの未来予想図を考える土台におすすめの本


『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
新井 紀子

こんにちは。
今回は、新井紀子の著書『AIと教科書が読めない子どもたち』について紹介します。この本では、人工知能(AI)の未来について考える上で重要な視点や問題について深く掘り下げられています。


人工知能の二つの方法論

著者は、人工知能の実現には主に二つの方法論があると指摘します。一つは、人間の知能の原理を数学的に解明し、それを工学的に再現する方法です。もう一つは、人間の知能の原理を理解せずに工学的な試行錯誤からAIを生み出す方法です。この二つのアプローチが、AIの発展に大きな影響を与えると著者は述べています。

AIの課題と進化

AIの発展には数々の課題があります。例えば、推論と探索だけでは解決できない「フレーム問題」や、機械学習における教師データの重要性などです。しかし、機械学習の進化により、強化学習やディープラーニングなど新たな手法が開発され、これらの課題に取り組む道が開けつつあります。

日米のAI認識の違い

著者は、日本とアメリカのAIへの認識の違いにも触れています。日本では未来に夢を託す声が多い一方、アメリカでは冷静な評価がなされていると指摘されています。この違いは、AIを取り巻く環境や文化の違いによるものであり、両国の技術開発の進展にも影響を与えるでしょう。

日本のモノづくりとAI

日本はモノづくりの国として知られていますが、AIの進化においては他国との差異があります。製品の精度や安全性に対する要求が高いため、新たな技術の導入には慎重な姿勢が取られています。この点において、日本のモノづくり企業は独自の挑戦を抱えていると著者は指摘しています。

人間の複雑な行動とAI

AIが人間の行動を理解することは容易ではありません。本書では、日常的な行動や判断がAIにとって複雑であることについて考察されています。例えば、冷蔵庫から缶ジュースを取り出すという単純な行為でも、人間の持つ常識や判断が必要とされます。

このように、『AIと教科書が読めない子どもたち』では、AIの未来に関する様々な視点が提供されています。人工知能が私たちの生活や社会に与える影響について深く考えるきっかけとなる一冊です。


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