「ニュースは見ない!人生が豊かになる!」
1 動機「なぜこの本を読もうと思ったのか」
・妻がニュースに振り回されている気がする。朝の情報番組のビルから落ちそうになっているネコのニュースを見て、一喜一憂していた。
・タイトルが秀逸! 「ニュースをダイエット」やってみたい!
・生産性を極める上で避けては通れない夜スマホを見ちゃう問題。寝不足になっちゃうんだよなー。
2 課題意識「この本を読んでどんな課題を解決しようと思っているのか」
・ニュースを見なくていいなら見ない。でも、本当にいいの?
・社会情勢などを知っておかないと決断することは難しいのではないか。
・ニュースをダイエットすることのメリットは何か。
3 著者の紹介
「Think clearly」「Think right」「Think smart」の著者 ロルフ・ドベリさん。すべての本で「考え方」を提唱していて、賢く生き抜く・よりよい人生を送る考え方などを提唱している。
4 本の結論 「ニュースは見なくてよい!人生が豊かになる。」
5 本の要点
① ニュースを見ないと、1日に90分の時間が浮く。
ニュースは、砂糖やアルコールのように体を蝕んでいく。自分が周りに影響力を及ぼせないニュースは見なくて良い。例えば、テロリストがテロを起こすのは、メディアが報じるから。10億人が1時間そのニュースを見れば、世界で二千人分の一生の時間が浪費されたことになる。それほど、ニュースは時間を奪っていくし、奪うように設計されている。
② ほとんどのニュースはどうでもいい。人生において重要だった日本のニュースって何かありますか?
思い出して欲しい。あなたにとって、人生の中でよりよい決断ができるようになった重要なニュースは何か?
「ない」
という人がほとんどではありませんか?ニュースのほとんどが広告なのだ。よりニュースは増えていく。人口増加によって。SNSによって。アルゴリズムによって。都合の良い情報だけあふれる社会になる。ニュースに振り回されていたら人生終わってしまう。
ニュースを見すぎると学習性無力感を感じることがある。自分には影響力を行使することができない。だから、自分は無力だ。世界は変えられない。学習しても無駄だという思考に陥る。それよりだったら、ニュースを見ないで、家族・友人に自分の影響力を行使する方が大切ではないか。
③ ニュースを見ない生活とは、どのようなことをすればよいのか?
→本や研究者の論文でよい。責任をもって書かれたものを選ぶべきだ。
では、ニュースを見ないでどのように生活するのか。その答えは、
❶本やしっかりと考察された論文を読むことに専念すること。
❷自分の能力の輪が届くものの情報だけを得ること。
❸月に1回本屋に行って、いろんな情報にあたること。
❹ランチをするときに一つのテーマについて15分深く討論すること。
などが挙げられています。自分に影響力が届くものだけを本や論文で深く学ぼう。そうすると、長い文章も読めるし、批判的な文章もしっかりと読めることができる。
6 教師としての考え
⑴5年生の社会科で「情報」について学び、新聞社に質問をする児童の質問が「News Diet」の本の問題の本質をついています。
児童:「ニュースがない日って、どうするんですか?」
この質問に対する新聞社さんの答えは、
新聞社:「ニュースがない日はありません。社会は毎日動いているので。」
とお答えいただきますが、本質は、
新聞社:「ニュースがない日でも、なんとかしてニュースは作り出すんです。そうしないと広告収入が入らないから。」
という答えが真の答えではないかと思われます。冒頭に出てきた「ビルの上から落ちそうになっているネコ」のニュースなどはその最たるものではないでしょうか。おもしろそうなニュースがないので、視聴率の取れそうなネコが危ない様子を放映する。そうすれば、視聴者は釘付けになる。ただし、このニュース、人生において役に立たないと思います。ダイエット対象です。
⑵無駄に意見を持たない。知らなくてもいい生徒指導案件などたくさん。
この本の中に「ニュースに対して意見を持たない自由」という項目がありました。めちゃめちゃ共感しました。
例えば、靴隠しなどの問題が学校で発生した時に「すぐに学年集会」という管理職や同僚がいます。ただし、私はこの本を読んで確信しましたが、明確に反対します。
その理由は2つあります。
❶真面目にやっている児童にとっては、その情報はどうでもいい。自分もされたら怖いと言う恐怖心を植え付けるだけ。また、そんな意地悪な方法があるんだと無駄に全体に周知させることになります。
❷犯人の子は、注目してもらえたことによって嬉しくなる。テロリストの話と似ていますが、メディアに取り上げてもらえるからテロの活動をする人がいるように、靴隠しをしたことが全体で取り上げられるから靴隠しをするという児童も現れます。
なので、靴隠しが起こった時には、まずは騒がず情報を集めることが優先であると思います。必要に応じて、学年集会を検討すべきです。何でもかんでも学年集会すればいいという問題ではありません。
7 保護者としての考え
・本屋を回る。【いろんなジャンルの体型立てられた本で学ぶ。】
・本物を見る。お金を寄付する。【学習性無力感を感じさせないように、自分でも(小さな)世界を変えられる体験をさせていく。】
・ニュースは文字媒体でOK。メディアとの付き合い方を考えさせる。油断すると、子どもはすぐにテレビ・動画・ゲームにのめり込んでいる。
8 子育てハッピーアクション
・ニュースを見ない。見るなら週1回の子ども新聞のみ。一緒に読んで考えよう。
・自分が世界を変えられたという体験をさせる。(席をゆずった。ザリガニを釣ったなど)
・能力の輪の外側はどうでもよい。(自分が変えられる範囲のことだけ全力で学び、全力で変えていく。)
おもしろい本でした。ぜひ、読んでみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?