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これからはティーチャーからデザイナーへ。


1  動機「なぜこの本を読もうと思ったのか」

・対話のメカニズムとは?・褒めるは学びの落とし穴とは?

・東京学芸大学附属世田谷小学校では、どんな実践を行っているのか?

・著者とちょっとした付き合いがあるので、応援したい!


2  課題意識「この本を読んでどんな課題を解決しようと思っているのか」

・小学校教師として使える実践はあるか。
・子育て中の親として使える実践はあるか?

3  著者の紹介  久保賢太郎さん

・東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。並行して大学院にも通っているそうです。高校時代までを青森県八戸市で過ごし「As Life Hachinohe」の顧問として地元のスポーツ発展にも貢献しています。東京学芸大学を卒業後、東京都で小学校教員を経て、現職に就いて活躍しています。

4  本の結論「子どもをよく見よう!ミニハードルをデザインしよう!」 


5  本の要点

①  教師と子どもは対等。共に成長しよう。・先生にもできないことはある。

 教員の中で、悪く言えば「先生ぶる先生」「偉そうな先生」がいます。こういう人ではいけないと久保先生は主張しています。自分のことを子どもにもわかってもらい、その人格を含めて認めてもらい、一緒に成長しようというスタンスで教員をするべきと主張されています。

主語を自分にして語りかける。教師の考えを押し付けない。

 「◯◯しなさい!」と指示するのはNG。「先生はこう思うけど、あなたはどう思う?」とI(アイ)メッセージで伝えることが大事であると主張しています。そうしないと、「よく考える児童」に育ちません。

・子どもはそのままでよい。基本怒らない。

 「生きているだけでOK」「子どもにはそれぞれの良さがある」など、みんなで学び合う集団を久保先生は目指されています。

 ② がんばればできそうをデザインしよう。
 ⑴教師の役割はコーディネーター・デザイナー

・みんなの意見をまとめ、方向づけるコーディネーター・授業の流れをデザインするデザイナーの役割がとても大切。

 例えば、体育の時間のマットの準備。マットを敷いて欲しい四角(よすみ)に養生テープで印を貼っておけば、子どもたちはすぐにマットを置く位置がわかるからすぐに準備ができる。そうすると、マット運動がすぐに始められる。できる子が増える。褒められる。伸ばせる。といった具合に、授業をデザインする力がこれからの教師には求められています。

 ⑵夢中にさせる課題。わかりそう、でもわからないをデザインする。

・一人じゃできそうだけど、難しい!でも、できそう!あー、やっぱり難しいから友だちと相談したいなど絶妙な課題を設定する力が大事です。そのためには、普段から子どもの実態が把握できていなければなりません。

 ③ 子どもによく考えさせよう!「当たり前を疑う」
・そうじはいつやるのが正解?
・卓球台はクラスにおいていい?
・時間を有効に使うには?

 こういう事柄も一つ一つ子どもと共に学級会や話し合いを通して考えることで成長していくという信念を本の内容から感じました。

6  教師としての考え

・おもしろかったことは、久保先生のデザイン力です。ハンドボールはドリブルができないとダメだから、ドリブルの練習をさせる先生がほとんどですが、久保先生は授業の中で「ドリブルはしなくてもよい」と決めました。ボールゲームの本質は、「より意味のある空間でボールを持てるかどうか」と考え、守備にタッチされるまでは走ってよいとしたという内容がありました。久保先生自身が、授業の本質を考えていて、実践力が素晴らしいと感じました。
・私もこれに倣い、ティーボールの学習でボールをバットで打つのが苦手な児童に対して、「投げてもよい」ということにしました。ただし、打つ方が難しいので打ったら2倍の得点。投げたら1倍ということにしました。本質は、「相手の間にボールを転がすこと」というように考え、いかにみんなが参加できるかという本質を見極めるように努めました。

7  保護者としての考え

ミニハードル理論は、子育てにおいて威力を発揮します。まずは、子どもにいろんなことを体験させる。ただし、この体験に関しても難しすぎるものではダメです。ちょっと難しいけど、チャレンジしてみたいと思わせる課題がベストです。そこで、子どもが

「おもしろくない」

と言ったら諦める。

「おもしろい!やってみたい!」と興味関心に引っ掛かったら口出しをせずに、認め・支援してあげるというスタンスがとても大事であると感じます。親にとっても子育てをする上で、ミニハードル理論はとても大切だと感じました。

8  子育てハッピーアクション

・子どもに何事も「よく考えさせよう」

・子どもが興味を持ちそうな「ミニハードル」を設定してあげよう。

・親は子どものやってみたいを引き出そう!「デザイン」をしよう!

・褒めるだけではプレッシャーになる。プラスアドバイスが効果的。

卒業生から久保先生との思い出を振り返る作文が要所要所に載っています。どれも久保先生と児童の関係がよくわかる素敵な作文でした。小学校の先生って仕事はやりがいがあるなーと感じさせてくれる本です。ぜひ、教職を学ぶ大学生に読んでほしい本です。


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