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とりとめのないこと2021/11/20

最近、少し昭和史を調べたり読んだりしている。

もっとも身近な昭和史といえば、曽祖母が残してくれた日記かもしれない。

大正9年に高田馬場あたりで生まれ育った曽祖母。
生涯にわたって、彼女は日記をつけ続けていた。
関東大震災、2.26事件を間近で見てきて、戦時中、北海道へ疎開。その後中野へ戻り、色々と紆余曲折ののち鎌倉へ。

その間のとりとめもないことが書かれていたり、終戦直後に電車の中で着物と交換で得た米やさつま芋を曽祖父が中央線の電車の中で盗まれたことなどが書かれていた。僕ら家族には、曽祖父も曽祖母もほぼ戦争の話をしなかった。それでも、日記に書いてあった電車でのさつま芋事件はたまにおもしろおかしく話してくれた。
ただ、戦時中の戦争のことについては一切書かれていなかった。

時が昭和から平成に変わるときの数年の日記は分厚い。

読んでいると心の中を覗き見しているようで少し気が引けるが、家族の小さな歴史をのぞいているようで面白い。
「ケンジ仮称(親父)に〇〇円渡す」
「タカシ仮称(祖父)、またビールを買ってきた」
「マリア仮称(祖母)さん、病院に付き添ってくれた。ありがとう」
など、祖父母や親父のことがかなり詳細に書かれていて笑ったり。

僕が1番よく覚えているのは、曽祖母が亡くなる少し前、一時退院していた曽祖母と、みんなで集まっていたときのことだ。
突然、「みんな愛してるよ、I love you」と画用紙に赤ペンで書いてくれた。

何かにつけて祖父も父も兄ふたりも僕も紙のノートにペンで書く。日記を書くのはきっと遺伝子🧬の悪戯かもしれない。

教科書が改訂されようと、真実が言葉巧みに有耶無耶にされようとも、日記と家族の心に書いた本人の想い出がある限り、家族のささやかな歴史は改変されない。

おばあちゃま、ありがとう♪

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